CV-22を救った航空管制官を部隊長が表彰
カートランド空軍基地/アルバカーキ国際空港の管制塔で勤務する航空管制官が、同基地に所在する米空軍CV-22オスプレイの6名の搭乗員と9,000万ドルの機体を救った。
2021年1月8日、ウェンディ・スミスは、その2020年11月10日の機転の利いた行いにより、第71特殊作戦飛行隊指揮官のブレット・キャシディ中佐から表彰された。
キャシディ中佐によると、その日行われていたのは、CV-22の学生が暗視装置を使用した低照度環境下での飛行および完全に視界が失われた「ブラウンアウト」状態での着陸を主要演練項目とする最終段階の訓練であった。
「搭乗員たちは、着陸のことに気を取られ、飛行場からの離陸について、あまり注意をしていなかったようなのです」とキャシディ中佐は述べた。
両親も元航空管制官であり、夫もアルバカーキ国際空港の進入管制官であるウェンディは、その夜、タワーで勤務中に、その機体に違和感を感じた。
「何かがおかしいことを知るには経験が必要です。ウェンディが、ここでの勤務を始めてから12年が経っています。それは、オスプレイの年齢とほぼ同じです。おそらく、彼女は、ここで勤務する者の中で、それに気づくことのできる数少ない者のひとりでしょう」とキャシディ中佐は語った。
キャシディ中佐は、その夜の出来事を次のように説明してくれた。
「その機体は、夜間の戦術訓練に向かおうとして離陸している最中でした。離陸中、ウェンディが無線で機長に『ダスティ73、そちらの右プロップローターが何か変よ』と呼びかけたのです。窓の外を見た搭乗員は、完全に一列に並んで回っているはずの3つのプロップローター・チップライトのうちの1つの軌跡が、他のライトの軌跡からずれていることに気づきました。それは、ローターに何らかの不具合が生じていると判断するのに十分な兆候でした。機体は、空港に戻って着陸し、その後の訓練は、機体を変更して行われました。整備員が機体からデータをダウンロードしたところ、そのブレードの振動は、許容値の3倍に達していました。詳しい検査の結果、ブレードの迎え角を制御するピッチ・リンクという部品のベアリングに損傷が発見されました。その損傷の進展速度から推定すると、あと45分から1時間で完全に破壊されるところでした。もし、ウェンディが連絡をせず、搭乗員が振動に気づかないまま飛行を継続していたら、壊滅的な事故につながったことでしょう。貴重な機体と搭乗員を失うところだったのです」
当該CV-22は、所要の整備が実施された後、第71特殊作戦飛行隊において、引き続き学生の訓練に用いられている。
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1件のコメント
「安全は、みんなが現場で作るもの」という標語を思い出しました。
それにしても、ウェンディのファッションがすごい…