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陸軍航空の情報センター

第1機甲師団戦闘航空旅団がEFBの装備化を完了

3等陸曹 アシュトン・ホフマイスター

新型のEFBデジタル・タブレットを用いながら飛行前点検を実施するヴィアナ中尉

第1機甲師団戦闘航空旅団は、EFB(Electronic Flight Bag, 電子フライト・バッグ)の装備化を完了し、電子機器を用いた搭乗業務の効率化を推進しようとしている。従来、搭乗員の任務遂行に必要な書類は、フライト・バッグに詰め込まれていた。今後は、すべての情報がEFBに統合され、ペーパーレス・コックピットへの移行が進められる。「飛行に必要な出版物だけではなく、規則、教範、SOP、さらには任務計画さえも1台のiPadの中に入れて携行することができるのです」と旅団標準化将校である上級准尉5ポール・C・ベレティは語った。

革新的な民生品を活用することにより、紙媒体を排除し、現在進行中のアメリカ陸軍の近代化プロセスを推進して、兵士および部隊の戦闘力を増大できるのである。EFBの導入は、情報を即時に伝達する能力を大きく向上させる。「飛行前ブリーフィングの最中に計画が修正された場合でも、すべての搭乗員に対し、2,3秒でその修正を送信し、受信させることができるのです」と第1機甲師団戦闘航空旅団最先任上級准尉である上級准尉5スティーブ・A・ドナヒュー・ジュニアは語った。「関係者全員が、常に同じ作戦イメージを共有できるようになったのです」

EFBは、航空搭乗員に対する情報提供手段を変えただけではなく、旅団の経費節減にも貢献している。コストの大幅な削減が実現した、とドナヒューは語った。もはや、出版物を印刷したり発送したりする手間が不要となったのである。1つのタブレットが約20冊の出版物に置き換えられ、何百冊以上の陸軍教範や規定を含む参考文献に置き換えられたのだ。

この変化は、搭乗員に数多くの利点をもたらしたが、ドナヒューは、特に顕著な効果があった側面として次の3つを挙げている。「経済性、同調性および妥当性です」とドナヒューは言った。「これら3つが主要なテーマなのです」戦闘航空旅団のパイロットである中尉ウィリアム・ヴィアナと中尉ナタリア・ドリューは、EFBの装備化は、パイロットにとっても有益であると感じている。従来使用してきたフライト・バッグよりも、必要な情報へのアクセスが容易になったからである。「EFBの開発および改善は、航空科部隊に著しい能力の向上をもたらしてくれました」とドリューは語った。「その能力とは、機内だけではなく、計画作成段階においても、指先で複数の出版物や教範類にアクセスできる能力です」「1つの小さな器材を持ち込むことで5,6冊の本をバッグに入れて運ぶ必要がなくなっただけではありません。コックピットの作業スペースには、限りがあるのです」「必要な物すべてを1つの器材に詰め込むことができれば、コックピットに対する占有面積を減らすことができるのです」

戦闘航空旅団のEFBへの投資は、戦場でも活用可能な多目的ツールを生み出した。このツールは、兵士と部隊の戦闘力を増大し、戦争に勝利し、無事に帰国できるようにするという陸軍の近代化戦略の確立に貢献してゆくことであろう。

3等陸曹アシュトン・ホフマイスターは、第1機甲師団戦闘航空旅団に所属している。

                               

出典:ARMY AVIATION, April/May 2019, Army Aviation Association of America 2019年04月

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。

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1件のコメント

  1. 管理人 より:

    特別な装備品を開発するのではなく、「iPad」を採用していることがポイントだと思います。