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陸軍航空の情報センター

MIL-STD-3063の紹介

RSIP(Rotorcraft Structural Integrity Program, 回転翼機構造健全性プログラム)を支える新しい標準規格

ロバート・E・ベントン・ジュニア、マーク・E・ロベソンおよびロバート・W・アーデン

回転翼機構造健全性プログラムのマスター・プランは、パズルの各ピースが全体像のどこに収まるのかを確認するのを容易にする。

アメリカ陸軍戦闘能力開発コマンド(Combat Capabilities Development Command, CCDC)航空・ミサイルセンターの構造・材料技術者たちの役割は、ヘリコプターの構造が所望の機能を発揮できるように維持することである。別な言い方をすれば、ヘリコプターにその構造上の完全性を維持させるということである。新型機の構造に完全性を追求する技術者たちの旅は、ある種の喜びを伴うものである。その喜びは、完成図のないジグソーパズルを一枚一枚はめ込んでゆく時の喜びと非常によく似ている。しかしながら、設計の複雑さや困難さに阻まれ、荒野に取り残されてしまった技術者たちは、「パズルの箱のふた」の正しい使用を怠っていたことを後悔するものなのである。

過去5年間、戦闘能力開発コマンドの技術者たちは、RSIPを支える新しい標準規格であるMIL-STD-3063の作成を続けてきた。この規格が、回転翼機構造健全性の複雑な問題の解決に役立つことを願っている。MIL-STD-3063の要求事項に沿って開発されたRSIPマスター・プランは、パズルの箱のふたのように、パズルのそれぞれのピースが大きな絵のどこに収まるのかを判断することを容易にする。また、ある特定のピースが欠けた場合に、供給などの各機能にどのような影響が及ぶのかを明らかにする。このことにより、欠けているピースを可能な限り早期に確認し、適切な航空機を供給するために必要な最善の方法を探求できるようになる。つまり、欠けているピースを追加するか、または他のピースで絵を完成できるように計画を変更するか、いずれかの処置を行うことができるようになるのである。

RSISの標準規格は、アメリカ空軍がASIP(Aircraft Structural Integrity Program, 機体構造保全管理)で用いた標準規格に基づいて作成されている。ASIPと同様に、RSIPの標準規格の機能には、「設計情報」、「設計分析および開発試験」、「フルスケール試験」、「継続的耐空性のための指示を伴う供給」、ならびに「機種の管理」がある。これら5つの機能には、「疲労試験」や「飛行荷重計測」のような現行の回転翼機で用いられている開発プログラムによく見られる要素が含まれている。RSIPの標準規格を用いることにより、それぞれのピースをどこに置くべきなのかを理解するのが容易になる。例えば、RSIPは、「疲労実証」が「疲労試験」および「飛行荷重計測」の結果に依存するものであることを明示している。より一般的に言えば、それぞれの機能の間の関係を明確にするのである。さらには、それぞれの機能に存在する供給上の問題点も発見可能となる。例えば、欠けているピースが、性能上の制約や追加の整備をもたらすかどうかが明らかになるのである。

RSIP標準規格は、兵士に対し、より信頼性が高く、入手が容易で、整備が容易で、より適切な回転翼機機体構造を提供することを可能にするのである。また、開発プログラムに対し、より技術的問題の少ない構造上の要求事項を与えることができる。RSIPの規律あるアプローチは、安全に対するリスクを回避しつつ、より良好なスケジュールやコストを実現する。また、供給会社に対し、それぞれの回転翼機の設計に一貫して適用される手順を明示する。更には、アメリカ空軍およびアメリカ海軍に対し、改修プログラムにより必要となる処置を理解させることが容易になる。

RSIP標準規格は、構造物を「主要構造部材」、「飛行安全構造物」、「1次構造物」および「2次構造物」に区分している。これらの区分は、「構造物の目的」、「構造破壊の可能度」および「構造破壊における構造疲労の影響度」に応じて行われている。

回転翼機において、特に構造が構造疲労にさらされる場合、それが所望の機能を発揮し続けることができるかどうかは、それを取り巻く負荷環境に大きく影響を受ける。「耐損傷性」、「安全寿命」および「拡張安全寿命」は、構造疲労に対処するための3つの主要な手法である。この標準規格は、これらの用語を定義し、企業がそれぞれの手法をいかに行うべきかを規定する。

新しい標準規格の開発に際しては、企業を当初から完全なパートナーとして位置付けるため、早期の段階から検討チームが立ち上げられた。回転翼機の4つの主要製造会社から派遣された25名以上の構造健全性の専門家たちが、企業側代表者として、検討チームの骨幹形成を援助してくれた。また、それ以外の企業や組織からも15名以上の構造健全性の専門家が参加し、外国政府の代表者たちも参加した。このように、戦闘能力開発コマンドの共同執筆者に加えて、各企業および海空軍からのご支援を頂けたことに謝意を表する。

ロバート・E・ベントン・ジュニアは、アラスカ州レッドストーン工廠の航空設計部局航空・ミサイルセンター戦闘能力開発コマンドの構造および材料部の主任技術者である。マーク・E・ロベソンは、バージニア州フォート・ユースティスの戦闘能力開発コマンド航空・ミサイルセンター航空開発本部の構造技術分野主任である。ロバート・W・アーデンは、元航空設計部局の構造および材料部長であった。現在は、ミズーリ州セント・ルイスで航空設計部局の技術派遣要員として、パースペクタ社で勤務している。

出典:ARMY AVIATION, April/May 2019, Army Aviation Association of America

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。

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1件のコメント

  1. 管理人 より:

    あまり具体的な説明ではないので、正直、訳者もあまり理解できていません。MIL-STD-3063の原文を掲載していますので、より詳しくお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。