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陸軍航空の情報センター

陸軍航空航空整備士の再就職に向けた資格取得

大尉 ジェームズ・C・キング

労働統計局によると、2017年時点での民間航空整備士の平均賃金は、1時間当たり29ドル34セント、1年あたり61,020ドルである。ボーイング社は、2037年までに新たに必要となる整備士は754,000名であり、そのうち189,000名はアメリカ国内で確保しなければならないと見込んでいる。

あなたが15F、15H、15N、15T、15R、15Uまたは15Yのうち、いずれかのMOS(military occupation specialty, 特技)を保有する陸軍航空整備士であり、民間企業で自らの経験を生かしたいと思っているならば、就職活動を始める前にいくつかの準備を行って、自分の市場価値を高めるべきである。

まず、FAA(連邦航空局、FAA)のA&P(Airframe and Powerplant, 機体およびエンジン)の資格を取得しなければならない。この資格は、軍に所属しているうちに取得した方が良い。軍人であれば、口頭および実技試験料(300~800ドル)の払い戻しを受けることができるからである。陸軍のほとんどの駐屯地には、A&P資格を取得しようとする整備士たちを支援するA&Pプログラムが設置されている。ただし、近隣のFAAのFSDO(Flight Standards District Office, 地方航空局)から様式861-2(航空従事者技能証明および限定変更)の発行を受ける必要がある。また、FAA認定の試験センターにおいて実施される筆記試験や、近隣のFAA試験官が実施する口頭・実技試験を受験しなければならない。ラングレー・ユースティス統合基地においては、整備士のA&P資格の取得を容易にするため、第128航空旅団が独自のプログラムを開設している。前述のMOSを保有する整備士であれば、ユースティスに所在する整備教官またはALC(Advanced Leader Course, 上級指導者課程)の学生のいずれであっても、この機会を活用できるし、そうすべきである。

(編集者注:2018年、AAAAナショナル・エクゼクティブ・グループは、A&P資格取得コースの試験の受験者に対し、500ドルの奨学金タイプの助成金の支給を開始した。応募の資格および手続については、www.quad-a.orgを参照のこと)

ビーチクラフトT-34メンター訓練機の予防整備を行うA&P資格を有する整備士

資格を取得した陸軍航空整備士は、それでだけで自分の市場価値が高まると考えがちであるがそうではない。残念ながら、A&P資格を保有しているだけでは、民間企業において仕事を得るために必要なすべての実用的技能および知識を身に着けたことにはならない。民間航空会社が求めているのは、単にFAA資格を有する航空整備士ではない。民間航空機のシステムおよび整備手順について一般的知識を有しているだけではなく、その知識に基づく技能も有していなければならない。そのためには、陸軍のヘリコプターや、ボーイング747やガルフストリームG500のような固定翼機の整備経験だけでは、不十分なのである。

民間航空整備士としての仕事に就くためには、12ヵ月以上の見習いを経験して更なる知識と技能を得る他、航空整備の準学士または学士号を取得することも極めて有効である。世界的に有名な航空関係大学であるエンブリー・リドル航空大学は、世界中のキャンパスまたはオンラインで航空整備資格を取得できる機会を提供している。さらに、この大学の航空整備プログラムは、航空機の整備、故障探求および整備に関する実戦的な訓練を行い、機体構造、レシプロエンジン理論、タービンエンジン理論などについて深い知識を身に着けたうえで卒業できるように考慮されている。なお、FAAのA&P資格を保有する者は、準学士号取得に必要な60単位時間のうち18単位時間、または学士号取得に必要な120単位時間のうちの30単位時間の履修免除を受けることができる。

陸軍航空の整備士たちは、高度な訓練を受け、整備規律を遵守し、常に前向きに行動するという資質を既に身に着けている。いくつかの追加的な訓練を受け、資格を取得したならば、民間企業において第2の航空人生を歩むことができる。FAAのA&P資格と関連する整備学位を取得し、商品価値を高めた陸軍航空整備士は、世界レベルの航空整備経験を活かした、安全な整備作業を提供できるに違いない。

大尉 ジェームズ・C・キングは、バージニア州ラングレー・ユースティス統合基地の第210航空連隊第1大隊B中隊長である。

訳者注:本記事に記載されているMOS番号の特技内容は次のとおり。
15F: Aircraft Electrician
15H: Aircraft Pneudraulics Repairer
15N: Avionics Mechanic
15T: UH-60 Helicopter Repairer
15R: AH-64 Attack Helicopter Repairer
15U: CH-47 Medium Helicopter Repairer
15Y: AH-64D Armament/Electrical/Avionics Repairer

出典:ARMY AVIATION, April/May 2019, Army Aviation Association of America

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。

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1件のコメント

  1. 管理人 より:

    フォート・ユースティスは、管理人がブラックホーク修理課程を履修した、懐かしい駐屯地です。今は、「ラングレー・ユースティス統合基地」と呼ばれているようですね。