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陸軍航空の情報センター

航空事故発生状況 – ゴーストXの損失

オペレーターが飛行中にゴーストXのエンジンを手動で停止させたクラスCの事故により、当該sUAS(Unmanned Aircraft System:小型無人航空機システム)が喪失し、推定損害額は152,800ドル(約2300万円)となった。

発生状況

当該ゴーストXオペレーターは、通常飛行を実施していたが、当該機がRTB(Return-To-Base:基地帰還)コマンドを実行中、キル(エンジン停止)コマンドを実行した。当該機は約196フィート(約60メートル)の高度から落下し、複数の建造物の近くの地面に激突した。

オペレーターおよび監督者は、ゴーストXの操縦に指定されたチームであった。当該ドローンの飛行は、歩兵小隊の状況下での訓練(situational training exercise:STX)を支援するため、訓練区域内の仮想敵目標を偵察・監視することを目的としていた。当該sUASクルーは、Ghost-Xの操縦資格を有していた。当該ドローンおよびGCS(地上管制システム)は、いずれも問題なくセットアップされ、許可された周波数に設定されていた。発射地点およびLZ(Landing Zone:降着地域)は、発射には直径10mの空間が必要とするSOP(Standard Operating Procedure:作戦規定)に従って選定されていた。

最初の発進がGCSによって指示された。ドローンが3km離れた目標付近を飛行中、GCSとの接続が失われるという問題が発生した。ドローンは自動的にRTB(Return To Base:基地帰還)を行い、着陸地点に無事着陸した。

クルーは、再度、飛行前点検を実施し、アンテナと無線機の接続状態を確認した。飛行前点検を完了し、接続状態を確認した後、2回目の発進を行ったが、ドローンは目標付近で再びGCSとの接続を失い、2回目のRTBを無事完了した。(規定上の)共通警告には、GCSからドローンへの接続が失われた場合には、「無線機の物理的な接続が確実であることを確認する」ように示されている。すべての配線が点検され、アンテナが予備のものと交換された。故障探求の間、隊員たちはキットに組み込まれている2機目のドローンの発進を試みた。2機目のドローンはアーミングに失敗し、発進できなかった。当初のドローンが3回目の発進に使用された。

GCSの無線機とドローンの間に障害物がない状態に保つため、発進地点が移動された。前回の発進と同様、すべての飛行前点検を完了し、ドローンは発進したが、目標付近で一時的に接続を喪失した。オペレーターは手動でドローンにRTBを指示し、ドローンはLZに無事着陸した。今度は、バッテリーが交換された。

ドローンは4回目の発進を行い、再び目標付近まで飛行したが接続を喪失し、自動的にRTBが開始された。ドローンがRTBを実施中、帰還経路の途中で接続が回復した。オペレーターは飛行を一時停止し、ドローンが周回するためのウェイポイントを作成した。これは、STX支援を継続するため、目標を監視できる状態を維持しつつ、ドローンとの接続を検証し維持しようとして行われたものであった。

その後、監督者は、自分がその場を離れる間、ドローンの操縦を続けるようにオペレーターに指示した。オペレーターは接続を維持したまま周回飛行するドローンの監視を続けた。GCSとの接続が確立され維持され続けたため、オペレーターは目標により接近するための新たなウェイポイントを作成し、操縦を試みた。ドローンは接続を失い、以前の発進時と同様にRTBを開始してしまった。オペレーターは、ドローンがRTBを実施している間に誤ってモーター停止スイッチを押してしまい、その結果ドローンはLZに墜落し、修復不可能な重大な損傷を被った。当該sUASは全損として回収された。

                               

出典:FLIGHTFAX, U.S. Army Combat Readiness Center 2025年03月

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。

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2件のコメント

  1. 阿部晃成 より:

    小型ドローン喪失の具体的な記事は初めて拝見しました。
    我が国でも運用数が増えることはあっても減ることはないと思うので、現場の方にも参考になりそうですね。
    結局、目標地点周辺での問題はなんだったのか、地形条件がジャミングあたりなのか…。

    いずれにしても、日々の翻訳・発信の方、お疲れ様です。

    • 管理人 より:

      コメントありがとうございます。
      「目標地点周辺での問題」は、「判明しているが公表しない」ということなのかも知れません。
      今後も引き続き、より良い情報の伝達に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。