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陸軍航空の情報センター

航空不安全発生状況

不安全報告ツールによる報告に基づく情報(2023年7月11日時点)

38062 件名:機体改修後、飛行前の最終検査中にFODを発見

発生状況:機体改修後、飛行前の最終検査において、UH-60Mのトランジション・セクションからFOD(整備用点検灯)が発見された。

38066 件名:AGPU(航空地上動力装置)の排気管から炎が噴出

発生状況:AH-64Dのロード・デマンド・ケーブルのリギング点検を実施中、当該整備員は器材庫からAGPU(auxiliary ground power unit, 地上電源装置)を搬出した。AGPUを始動しようとすると、AGPUの排気口から高さ8~10フィートの炎が噴出した。機体およびブレードとAGPUとの位置関係により、機体等に損傷は発生しなかった。当該AGPUは、NMC(not mission capable, 使用不能)と判定され、整備待ちの状態であった。当該AGPUの器材庫からの搬出は許可されるべきではなかった。同種事案の再発を防止するため、器材庫からの器材搬出手順の改訂および徹底が行われた。

38067 件名:UH60Mの燃料タンクからFODを検出

発生状況:UH-60Mのブレークアウェイ・バルブを修理中、燃料タンク内からピグパッド(油脂吸収材)が発見された。

38069 件名:飛行前点検中、テール・ローターのターンバックルの安全線紛失を発見

発生状況:UH-60Mの飛行前点検中にテール・ローターのターンバックルに安全線が取り付けられていないのを発見した。安全線がない場合、テール・ローター・コントロール・ケーブルに緩みが生じる可能性があった。

38166 件名:UH-60ヘリコプターで緊急操作訓練を実施中、エンジン・パワー・コントロール・レバーと誤ってエンジン燃料系統セレクター・レバーを絞ったため、一方のエンジンが停止

発生状況:有資格搭乗員2名および資格認定前搭乗員1名によって運航されていたUH-60が、一方のエンジンが停止したことにより、地方の民間飛行場に予防着陸した。当該搭乗員は、特に問題のない照度環境下において、NVGを使用した操縦練度の評価を実施していた。ダウンウインド・レグを水平飛行中、当該教官操縦士は、シングル・エンジン状態への副操縦士の対応能力を確認することにした。当該教官操縦士は、No.1エンジン・パワー・コントロール・レバーを絞ることにより、当該事象を発生させようと考えていた。しかし、副操縦士は、No.1エンジン燃料系統セレクター・レバーを「ダイレクト」ポジションから「オフ」ポジションに切り替えてしまった。当該機は、No.1エンジンへの燃料供給が遮断され、No.1エンジンが停止した。

38188 件名:AH-64Dでのオーバートルクおよびアンダースピードの発生

発生状況:射撃照準を行っていた機長および副操縦士は、CH-47の進入に伴い、射撃陣地を変換しなければならなかった。射撃陣地を変換後、機長は、裸眼で背後にいるCH-47の航行灯を探した。その後、HUD(head up display, ヘッド・アップ・ディスプレイ)に視線を移すと、航空機がすでに林縁に到達していた。回避操作を実施中、双方のエンジンが260%~280%のオーバートルクになった。搭乗員は、当該地域から離脱し、南側の前方着陸帯に着陸した。細部検査を実施した結果、主要構成品に損傷は発見されなかったが、984ドルに相当する工数を要した。

38191 件名:CFES(crashworthy external fuel system, 耐クラッシュ・外部燃料システム)の緊急投棄サーキット・ブレーカーが結束バンドで固定され、その状態で飛行していたことを発見

発生状況:当該試験飛行操縦士は、UH-60Mの地上試運転を実施中、サーキット・ブレーカーおよびスイッチのチェックを行った際に、CEFSの緊急投棄サーキット・ブレーカーがアウト状態から押し込めないように黒色の結束バンドで固定されているのを発見した。当該機は、この状態で2回の飛行を実施していた。この状態では、外部燃料タンクを緊急投棄できなかった。

38205 件名:レディネス・レベル3評価実施中にオーバートルクが発生

発生状況:夜間に搭乗員2名がAH-64Dでレディネス・レベル3の評価を行うため飛行していた。オート・ローテーションを実施中、オーバートルクが発生した。その原因は、機長の降下速度調整の開始時期が不適切だったためであった。当該機長は、フレアー時にトルクが約117%に到達したため、(データ・マネジメント・システムの)許容外確認ページをチェックしたところ、230%を超過するオーバートルク(デュアル・エンジン状態)が発生していたことを確認した。当該機は、整備マニュアルに従い、目視検査が実施された。検査の結果、修理後送が必要な損傷は発生していなかった。

38253 件名:離陸直後、RC-12Xの右側主翼に鳥が衝突。トラフィック・パターンに進入後、無事に着陸

発生状況:当該RC-12Xは、任務遂行のため離陸した直後に鳥と衝突した。当該RC-12Xは、パイロット2名で、弱い風のVMC状態の中、離陸した。鳥が見えた後、エンジン・ナセルから約2フィート離れた右外側主翼に衝突して衝撃音が聞こえた。損害の程度が不明のため、予防着陸を行った。着陸後、当該機の主翼およびナセル領域に損傷は発見されなかった。長さ約18インチの白い鳥の痕跡が残っていたが、洗浄により除去された。着陸重量の超過(着陸時約 16,300 ポンド)に伴い、着陸装置の検査を実施したが、着陸装置に故障および損傷は確認されなかった。

                               

出典:FLIGHTFAX, U.S. Army Combat Readiness Center 2023年08月

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。

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