ローター・ブレードと脚立との接触事故を未然に防止した隊員に対する賛辞
ブラボー・ズールー:事故を未然に防いだ海軍および海兵隊員たち
伍長 ダミアン・ガリベイは、MV-22Bオスプレイを担任する列線チームに所属する故障探求整備員であった。
ある機体が、離陸直後に故障が発生し、エプロンに帰投した。当該機の搭乗員たちは、任務を続行するため、予備機に乗り換えようとしていた。
搭載されていた貨物、工具および飛行装備品を予備機に積み替えている間に、搭乗員のひとりが、その機体の点検口のラッチが1箇所閉まっていないことに気づいた。ある整備員が、パネルを閉じるため、脚立を運んできて設置を始めた。状況を良く把握できていなかった当該隊員は、その脚立を回転するブレードのごく近くに立てようとしていた。
危険な状況に気づいたガリベイ伍長は、脚立に手を伸ばし、ローター圏内から遠ざけた。また、当該整備員を安全な位置に移動させた後、パネルを閉じ、当該機の地上滑走の準備を整えた。
ガリベイ伍長の行動は、ローター・ブレードと脚立との接触による金属片飛散事故の発生を未然に防止し、複数の海兵隊員の生命の危機を回避し、部隊の任務完遂に寄与したのである。
訳者注:ブラボー・ズールー(Bravo Zulu)は、通話表(フォネティックコード)を使った「BZ」の読み方であり、well done(よくやった、お見事)を意味する海軍の通信コードである。米海軍だけではなく、NATO諸国やその他の同盟国の海軍においても、スラングとして用いられている。
出典:APPROACH MAGAZINE, Naval Safety Center 2019年11月
翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人
備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。
アクセス回数:2,652
コメント投稿フォーム
2件のコメント
ひとりひとりの隊員がその役割をしっかり果たすことが、事故の防止につながっていることを改めて認識できる事例です。
こういった事例を全海兵隊員に紹介する海兵隊の姿勢には、見習うべき点があると思います。
ちなみに「ladder」は、英和辞典では「はしご」となっていることが多いですが、「脚立」も「ladder」です。