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陸軍航空の情報センター

イントレピッド・タイガーIIを搭載したMV-22Bオスプレイが初飛行

メリーランド州海軍航空基地パタクセントリバー

6月15日に最新型イントレピッド・タイガーII(V)4(IT II)電子戦器材を搭載して初飛行したMV-22Bオスプレイ。イントレピッド・タイガーII(V)4の最初の開発飛行試験となるこの飛行は、この器材を機内搭載して飛行する初めてのケースとなった。(写真:アメリカ海軍)

2021年6月15日、アメリカ海兵隊の最新型電子戦器材であるイントレピッド・タイガーII(IT II)がMV-22Bオスプレイに搭載されて初飛行した。

「この開発試験飛行には、2つの重要なポイントがありました」と、空中電子攻撃(Airborne Electronic Attack, AEA)システム(PMA-234)のプログラム・マネージャーであるアメリカ海軍大尉マイケル・オーは語った。「これは、イントレピッド・タイガーIIをオスプレイに搭載した初めてのケースであるだけではなく、この器材を機内に搭載した初めてのケースとなりました。」

PMA-234海兵空地任務部隊電子戦チームのリーダーであるビル・メレン氏は、MV-22ティルトローター機には従来型の機外にペイロードを搭載できるウィング・ステーションが装備されていないため、機外取付ポッドは選択肢になかった、と述べた。最新の設計がなされたAN / ALQ-231(V)4 イントレピッド・タイガーIIシステムは、車輪付きのラックに組み込まれ、機内に据え付けられたノートパソコンで制御することが可能となっている。

軍の要求に適応した精密電子戦兵器システムであるイントレピッド・タイガーIIの装備化は、海兵隊の固定翼および回転翼航空機に対し、機内および地上からの制御が可能な、有機化、分散化、およびネットワーク化された電子戦搭載機器を提供することになる。

メレン氏によると、(V)4システムの設計には政府および民間が有する最先端の妨害技術が適用されており、絶えず進化する敵の脅威、今後の周波数範囲の拡張および能力の向上などへの適合性が十分に考慮されたものとなっている。

「21世紀の戦場は、今後さらに複雑で激しいものになってゆきます。そこで求められているのは、あらゆる脅威に対して能力を発揮できる軍用装備品なのです」と、V-22統合事業事務局プログラム・マネージャーであるアメリカ海兵隊のブライアン・テイラー大佐は述べた。「今回の改修により、V-22の有機的電子戦能力は大幅にかつ段階的に向上し、支援対象である海兵隊地上部隊の指揮官たちにより多くの選択肢を提供できるようになります。それは、任務遂行のための究極の目標であり、作戦上の安全性確保を必要とする搭乗員と目標達成を必要とする指揮官の双方の要求を満足させることでしょう。」

メレン氏によると、MV-22Bへの搭載が成功したことを受け、イントレピッド・タイガーIIチームは、V4の設計をさらに拡張し、KC-130J航空機への対レーダー機能の搭載などに際し、機内への搭載が可能なラック収納機器などのMV-22Bで培った技術のさらなる活用が図られることになっている。

イントレピッド・タイガーII(V)4は、2023年度にMV-22B用器材の納入を開始して初期作戦能力を達成し、2024年度末までに合計42個システムの装備化を完了する予定である。

これまで、イントレピッド・タイガーII(V)1は、AV-8Bハリアー、F / A-18 A ++ / C / Dホーネット、およびKC-130J航空機に搭載され、イントレピッド・タイガーII(V)3はUH-1Yヒューイに搭載されている。

空中電子攻撃システムの取得、提供、および維持を担当する空中電子攻撃システム・プログラムオフィスは、戦闘指揮官に対し、その運用任務の遂行に不可欠な電子戦機能を提供している。

文/PMA-234広報担当官クリスティーン・ウイルコックス
広報担当者の連絡先:240-309-8076

                               

出典:NAVAIR News 2021年06月

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

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