アメリカ海軍がV-22の初期作戦能力を認定
海軍航空基地パタクセント・リバー(メリーランド州)– アメリカ海軍は、2022年2月17日、CMV-22Bオスプレイの最初の部隊配備が完了し、即応態勢が完整したことを受け、初期作戦能力(initial operational capability, IOC)を認定したと発表した。
認定自体は、2021年12月14日付で行われており、今年度の第1四半期に完了するという従前からの計画どおりに進行している。
「CMV-22の初配備は、第2空母航空団(CVW-2)および航空母艦カール・ヴィンソン(CVN-70)チームの運用にの大きな転換をもたらしました。このことが、初期作戦能力の認定を確実なものにしてくれました」とアメリカ海軍作戦部航空戦闘部長のアンドリュー・ロワセル少将は語った。「CMV-22Bは、将来の航空団を担う最先端の機体であり、海軍が必要とする輸送等の支援に大きな役割を果たしてくれることでしょう。」
ロワセル少将による初期作戦能力の認定は、CMV-22Bの設計、開発、調達、および試験計画における重要なマイルストーンのひとつであり、この機体がアメリカ海軍の艦上輸送機(Carrier Onboard Delivery, COD)として妥当な即応性を有していることが確認されたことを意味する。C-2Aグレイハウンドの後継機であるこの機体は、人員、文書、物資などの陸上の基地から海上の空母への輸送を担うことになる。
ただし、「初期作戦能力の認定が意味するところは、それにとどまらないのです」と、V-22統合プログラムマネージャーのアメリカ海兵隊ブライアン・テイラー大佐は述べた。「それは、この機体の設計、試験及び生産が、それ運用を担う空母航空団から、兵站上のニーズを満たしているというお墨付きを得たということでもあるのです。」
CMV-22Bが部隊配備を開始したのは、昨年の夏のことであった。第30艦隊兵站多任務飛行隊(Fleet Logistics Multi-Mission Squadron, VRM-30)が、F-35CライトニングIIおよびE-2Dアドバンスト・ホークアイを保有する飛行隊と共に、空母カールヴィンソン(CVN 70)に乗船した。当該部隊は、98%の任務達成率および75%の可動率を記録した。F-35用エンジンの輸送が可能な貨物容量を有し、次世代機の兵站支援をも担うことが期待されているCMV-22Bは、空母航空団の将来を左右する存在である。
「初飛行から配備開始までは、19か月で完了しました。この成果は、アメリカ海軍の調達・設計・試験・運用機関と関連企業との、共通の目標に向けた相互連携によってもたらされたのです。」とテイラー大佐は語った。
アメリカ海兵隊のオスプレイよりも燃料搭載量が50%多いCMV-22Bは、最大6,000ポンドの人員または貨物を1,150海マイル先の目的地まで輸送することができる。アメリカ海軍は、航続距離を増大させるため、前方スポンソン燃料タンクを再設計して容量を増加させるとともに、2つの燃料タンクを主翼に追加したのであった。
「アメリカ海軍の戦闘攻撃機および警戒機の広大な行動半径を活かすためには、補給を担う支援機も同じように進化する必要があったのです。CMV-22Bは、最新悦機を保有する空母打撃群が必要とする人員および貨物の輸送を担い、アメリカ海軍の全世界での任務を支援できる機体です。」とテイラー大佐は述べた。
CMV-22プログラム・オフィスは、艦隊の機微なニーズに応えるため、今後もこの機体の試験および改修を継続する。契約済みの44機のうち14機がベル・ボーイングから納入されており、2023年には完全作戦能力(full operational capability, FOC)が認定される見込みとなっている。
CMV-22Bオスプレイの詳細については、https://www.navair.navy.mil/product/CMV-22B-Ospreyを参照してもらいたい。