書籍紹介:イーグル・クロー作戦
在イラン・アメリカ大使館人質事件の解決を目指した果敢な挑戦
―拉致問題解決のために知るべき事実―
人質救出作戦によって示されたアメリカ人の決意と覚悟
1979年、イラン革命の混乱の中、熱狂的な革命主義者たちがテヘランのアメリカ大使館を占拠して53人のアメリカ人を人質にした。交渉に行き詰まったカーター大統領は、創設されたばかりのデルタ・フォース(第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊)に大規模かつ複雑な救出作戦の実施を命じた。その作戦を成功させるには夜間に敵地内の砂漠でヘリコプターへの燃料補給を行い、脆弱かつ信頼性の低いヘリコプターで作戦部隊を空輸し、そして陸軍レインジャー連隊が飛行場を占拠しなければならなかった。これらの任務を遂行する特殊作戦部隊が新編されたが、そのパイロットや支援要員を十分に訓練する時間的余裕はなかった。
本書は、本作戦に関与した隊員たちからのインタビュー、秘密区分が解除された文書および詳細に再現された作戦計画に基づいて、新しく書き上げた歴史書である。その目的は、この強襲作戦の背景、計画、問題点などを詳しく説明し、デザート・ワンでの事故の教訓がアメリカ特殊作戦軍の創設に及ぼした影響を明らかにすることにある。
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<著者>
ジャスティン・ウィリアムソン (Justin W. Williamson)
アメリカ合衆国の元外交官。イラク、メキシコ、スペイン、コンゴ民主共和国で勤務。テキサス工科大学およびテキサス大学エルパソ校で学位を取得。近年になって、アメリカ陸軍指揮幕僚大学を卒業し、軍事研究修士(Master of Military Arts and Sciences)を取得している。テキサス州在住。
<イラストレーター>
表紙:ジム・ローリエ(Jim Laurier)
ニューイングランド出身。1978年、コネチカット州ハムデンのパアー芸術大学(Paier School ofArt)を卒業。ファインアートやイラストレーションの分野で活動している。アメリカ空軍にも航空絵画を提供しており、ペンタゴンに常設展示されている。ニューハンプシャー州在住。
戦闘シーン:ジョニー・シューメイト(Johnny Shumate)
フリーランスのイラストレーター。オースティン・ピー州立大学を卒業後、1987年にイラストレーターとしての活動を開始。その画風は、アンガス・マクブライド、ドン・トロイアーニおよびエドゥアール・ディテールの影響を受けている。テネシー州ナッシュビル在住。
鳥瞰図:アラン・ギリランド(Alan Gilliland)
写真および建築について学んだ後、デイリー・テレグラフ社のグラフィック・エディターとして18年間勤務。その後は、イラストの創作・出版、複数の出版社への提供などを行っている。リンカンシャー州(イギリス)在住。
<訳者>
影本賢治(かげもと・けんじ)
陸上自衛隊を退職後、ウェブサイト「AVIATION ASSETS(アビエーション・アセット)」を開設。アメリカ陸軍機関誌の翻訳などを行っている。北朝鮮拉致被害者の救出を目指す「予備役ブルーリボンの会」の会員。訳書に『ドリーム・マシーン―悪名高きV-22オスプレイの知られざる歴史』(鳥影社)がある。北海道在住。
訳者あとがき
北朝鮮拉致被害者の救出に関わる活動を行っている「予備役ブルーリボンの会」の会員である私は、2021年12月10日にグランドヒル市ヶ谷で開催された同会主催のシンポジウムに参加しました。そこで耳にしたのは、「イーグル・クロー作戦」はアメリカにとって「自衛権の行使」であったというパネリストの織田邦男元空将の言葉でした。戦史にはほぼ無縁の私ですが、「イーグル・クロー作戦」だけは特別な存在でした。その作戦は、自衛隊を退官後に翻訳・出版したV–22オスプレイの歴史書『ドリーム・マシーン』の中で、オスプレイ開発を後押しした出来事として大きく取り扱われていたからです。その時、私の中に、すでに資料として入手していた『OPERATION EAGLE CLAW 1980 (原題)』を翻訳・出版しようという決意が生まれました。
イランに囚われた人質を救出しようするイーグル・クロー作戦をアメリカが実行したのは、1980年のことでした。その作戦自体は失敗しましたが、自国民を守ろうとするアメリカ国民の強烈な意志を明確に示すこととなり、結果的には人質全員の解放につながりました。同じころ、日本では北朝鮮による拉致問題がすでに表面化していました。それから40年以上の間、日本は少なくとも表立っては何も失敗してきませんでしたが、いまだに問題を解決できていません。
もちろん、日本にはアメリカと同じことはできません。しかし、だからと言って何もしなくていいわけがありません。この問題を解決に導くためには、日本人ひとりひとりが自分にできることを実行することが何よりも大切だと思います。私にできることは、この本を翻訳することでした。そこには、アメリカ人の自国民の救出に向けた決意と覚悟が書き表されていました。本書が、拉致問題に対する日本人の意識にわずかでも変化をもたらすことを願ってやみません。
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出典:Operation Eagle Claw 1980, Osprey Publishing 2024年02月
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