火災発生時の冷静な対応によりブラック・ホークの搭乗員がコンバット・アクション・バッチを受賞
訳者注:コンバット・アクション・バッチは、敵との交戦地域において、敵に対する射撃を実施又は敵の射撃を受けつつ、適切に任務を遂行した陸軍兵士に授与される記章である。
6月8日、イラクのキャンプ・タジに展開している第1騎兵師団第1航空騎兵旅団において表彰式が実施され、4月5日に飛行中のブラック・ホークに火災が発生した際、適切に対応した搭乗員に対し、コンバット・アクション・バッチが授与された。
「ウェアウルヴズ(狼男)」のニックネームで知られる第227航空連隊第3大隊A中隊に所属するジェイム・ゴードン上級准尉は、当該機に機長として搭乗していた。
ゴードン准尉によれば、事態は当該機のN o.1エンジンがフレームアウトし、火災が発生したことに始まった。ゴードン准尉は、以下のように語っている。「自分の位置からは、エンジンを直接確認することができませんでした。A中隊に所属する横付長であるベンジャミン・フル技術下士官は、私の眼となって、エンジンの状況を報告してくれたのです。」
その時、キャビン内の搭乗員用座席周辺において別な火災が発生した。この時の対応について、ゴードン准尉は、次のように語っている。「たまたま乗り合わせていたB中隊の機付長であるブルース・アダムス軍曹は、直ちに消火器を火災発生位置に着座している兵士に投げ渡し、消火を開始させてくれたのです。」
一方、副操縦士であったA中隊所属のケニー・ドレアク中尉は、機内が混乱し、ゴードン機長や機付長との通話ができない状態の中、機体を安全に着陸させることに専念した。そして、機体が無事に着陸すると、2人の機付長は、自らの生命の危険を顧みず、まずは搭乗者と操縦士を脱出させた。また、脱出完了後、フル技術下士官は、直ちに負傷した搭乗者の応急手当を開始した。
表彰式における訓示の中で、227連隊第3大隊長のシェンク中佐は、次のように述べた。「ドレアク中尉とゴードン准尉の適切な対応は、搭乗者の安全を確保し、米国陸軍の損害を最小限に留めることに大きく寄与した。『安全の確保』と『損害の局限化』は、我々が任務飛行を実施中、常に意識しなければならない事項であり、彼らの対応は、搭乗員としての手本である。また、私は、我が部隊の機付長であれば誰でも、今回のような状況において、必ずやその能力を最大限に発揮してくれることを信じていた。2人の横付長は、その信頼に最大限に応えてくれた。」
表彰式に参加できなかったアダムス軍曹を除く搭乗員の胸にバッチがつけられると、彼らは直ちに任務に復帰した。全てのヒーローがそうであるように・・・
特技下士官ネイサン・ホスキンスば、イラクのキャンプ・タジに所在する第1騎兵師団第1航空戦闘団に所属する広報ジャーナリストである。
出典:ARMY AVIATION, Army Aviation Association of America 2007年08月
翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット
備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。
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