バージニア州フォート・ユースティス、パターソン・ホールの伝統と変革
第128航空旅団の現状

バージニア州フォート・ユースティスは、第128航空旅団の本拠地として栄誉ある地位を占めている。この旅団は、航空作戦に従事する現役・州兵・陸軍予備役の全兵士に加え、空軍兵士や国際パートナーに対する教育を通じて、整備訓練における卓越した伝統を築き上げてきた。
現在、第128旅団では、年間5,500名を超える兵士が陸軍航空のあらゆるヘリコプター専門分野に関する訓練を受けている。
旅団の卒業式典ホールであるパターソン・ホールは、昨年、陸軍航空の過去と現在に敬意を払いつつ、その未来を祝福するための大規模な改修工事が実施された。パターソン・ホールの名前は、准尉1 シール・H・パターソンにちなんで命名されたものである。パターソン准尉はCH-47チヌークヘリコプターに深く携わり、ヘリコプター整備員、フライトエンジニア、技術検査官、そして教育隊教官として従事した。ベトナム戦争従軍中には、ブロンズスター勲章を授与されている。パターソン・ホールは当初、CH-47整備員訓練専用の格納庫であったが、現在は全ての新任航空整備員、上級指導者課程、および151A准尉基礎課程の卒業式典ホールとなっている。
従来、このホールの壁にはACH-47(攻撃輸送ヘリコプター)「ガンズ・ア・ゴーゴー(Guns-A-Go-Go)」が描かれていた。この機体は、ベトナム戦争中に4機のみが製造されたが、いずれも長期間の運用には至らなかった。2機は試験中の航空事故により、もう1機はロケットランチャーのピン不良が原因で戦闘中に失われた。この事故を受け、軍はプロジェクトを中止し、残存機は本国に送還され、現在はフォート・ラッカー(現フォート・ノヴォセル)の博物館に展示されている。その壁画は、歴史的価値を保存するため高精細写真に収められ、現在はCH-47訓練格納庫とA/1-222兵舎に額装展示されている。
新しい壁画は陸軍航空の素晴らしい光景を集約したもので、装備する航空機とそれを支える整備員の姿を共に描いている。描かれた機体には、CH-47チヌーク、UH-60ブラックホーク、AH-64アパッチ、そして第160特殊作戦航空連隊のAH-6リトルバードが含まれている。
パターソン・ホールでの卒業式に参列した者は、チヌークの1機に特別なロゴが描かれているのに気づくであろう。このロゴは「ビッグ・ウィンディ」の愛称で知られる第180強襲支援ヘリコプター中隊のものである。この精強な部隊は、1969年に解隊されるまで、ベトナム戦争の大部分にわたって重量物輸送作戦を支援した。その伝統は現在も受け継がれ、「ビッグ・ウィンディ」のロゴは、ドイツ駐留の第12戦闘航空旅団(CAB)のCH-47に誇らしく掲げられている。
この印象的な壁画を描いたことは、このホールの変革の一部に過ぎなかった。第128旅団の卒業生が配属される戦闘航空旅団やその他の名誉ある部隊に敬意を表することも、同様に重要であった。このため、卒業式壇上の傍らには、現役航空部隊のパッチがそれぞれの部隊史と共に展示されている。これらの展示は先人への敬意を表すとともに、将来の陸軍航空兵を鼓舞する役割を果たしている。
部隊パッチの上方には、整備員のキャリアにおける重要な節目を示す3つの航空機搭乗員章(Aircrew Badges)が展示されている。初期訓練を修了した卒業生は、ベーシック・エアクルー章を授与される。それは、誇らしげな家族の手によってその胸に飾られことも多い。兵士たちは、キャリアを重ねるにつれ、シニア・エアクルー章、そして名誉あるマスター・エアクルー章を授与されるが、それには多大な献身と豊富な専門知識が要求される。
パターソン・ホールの変革は現在も継続中である。州兵、予備役、国際軍事要員、そして下士官学校を称える専用セクションも間もなく完成予定である。
第128航空旅団は航空整備員にとって永遠の故郷であり、パターソン・ホールは彼らの初期訓練の終了と輝かしいキャリアの始まりを象徴する場である。先人たちの残した遺産は、陸軍航空機がいかに進化しようとも、時代を超えたインスピレーションの源であり続けるであろう!
Born Under Fire!(戦火のもとに成長せよ)
出典:ARMY AVIATION, Army Aviation Association of America 2025年08月
翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人
備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。
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