AVIATION ASSETS

陸軍航空の情報センター

航空事故発生状況(抜粋)

事故速報に基づく情報(2025年9月1日現在)

有人機

H-60

• UH-60Mのテール・ローターの整備を実施していた兵士が、バーティカル・パイロンから落下し、体の左側を下にして地面に激突した。当該兵士は、左肘と左臀部に激痛を訴えた。その後、診断と治療のため病院に搬送された。X線検査の結果、左肘下部の骨折と、左臀部の軽度の打撲が確認された。(クラスC)

• 訓練開始前に、当該UH-60の搭乗員は、第1エンジンのインレット・プラグが取り外され、格納されていることの確認を怠った。そのエンジン・プラグは、規格外の色で「リムーブ・ビフォア・フライト」のワーニング・ストリーマーが欠落しており、エンジン・スタート・シーケンスの間、No.1エンジンのエンジン・インレットに残存していた。インレット内にエンジン・プラグがあるのが発見されたのは、エンジンを停止し、予備機へ移動した後のことだった。エンジン・コールド・セクションの交換費用は、82,779ドルと見積もられている。(クラスC)

• 実任務の火力支援任務におけるバンビ・バケット・オペレーションの実施中、PC(機長)がUH-60Mヘリコプターの操縦装置とフライト・ディレクターの移管を行っていた際、誤ってサイクリック上のカーゴ・リリース・ボタンを押した。この結果、カーゴ・フックが開放され、空のバンビ・バケットが投棄された。(クラスD)

H-64

• 通常のエンジン・シャットダウン手順を実施中、当該AH-64のパイロットは、APU(auxiliary power unit, 補助動力装置)が完全に始動する前に、航空機のパワー・レバーをフライ・ポジションからアイドル・ポジションに向けて操作しはじめた。教官操縦士は、パワー・レバーがアイドル・ポジションに移動しないように手で押さえた。それに反応した副操縦士は、パワー・レバーをフライ・ポジションを超えて増加させてしまい、メイン・ローター回転数が許容外となり、テール・ローター・ストラップ・アセンブリにも損傷が生じた。(クラスE)

• 当該AH-64を(航空機が過密状態に格納された)格納庫から移動させるため、SATS(standard aircraft towing system, スタンダード・エアクラフト・トーイング・システム)を配置しようとしたところ、SATSのフロント・ミラー・マウンティング・ブラケットにブレード・タイ・ダウンが引っかかってメイン・ローター・ブレードが回転し、隣接する航空機のメイン・ローター・ブレードに接触した。(クラスE)

H-47

• ランプにいたCE(crew chief, 機付長)は、ホット・ロード・トレーニングを促進するためのIOT(in order to, ~のために)のプログレッション・フライトで低高度飛行中のCH-47Fから異音が聞こえたため、当該機に対し降着地域に着陸してシャットダウンし、機体を点検することを提案した。点検の結果、LOSB(line of sight blocker, ライン・オブ・サイト・ブロッカー)が脱落し、ブレードに衝突していた。ブレードの損傷は、幅方向に約26インチ、長さ方向に推定6インチ、深さ約1インチであった。(クラスC)

• CH-47Fチヌークの整備中、機体を支持していた2基の5トン・ジャッキが破損し、右前ホイールが取り外され、左前タイヤの空気が抜かれた状態の機体が落下し、損傷した。人的被害はなかった。(クラスC)

                               

出典:FLIGHTFAX, U.S. Army Combat Readiness Center 2025年09月

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。

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