COMNAVAIRFORINST 4790.2D THE NAVAL AVIATION MAINTENANCE PROGRAM
米海兵隊の共通整備実施規定です。整備に関する方針的事項等が規定されています。
【部分訳】
第3章 整備の構想、プログラムおよび手順等
3.1 整備の構想
3.1.1 序 論
a. 海軍航空司令官によって実行されるNAMPは海軍作戦部長および海兵隊総司令官の即応及び安全目標の達成を支援し、隊力、設備、物資及び予算の最適な使用をもたらすものである。
b. NAMPは、3つのレベルによる整備構想を基礎としており、Oレベル、Iレベル及びDレベルの航空整備を管理・統制する根拠となるものである。 NAMPは、整備実施に際し、人員及び物資を効果的かつ経済的に使用するために必要な管理ツールを提供する。 NAMPは、また、すべての海軍航空機、関連する物資及び器材の整備を完遂するための標準的組織、手順及び責任区分を確立するための基礎を提供する。
c. 整備を3つのレベルに区分することにより、次の事項を管理できる。
(1) 各レベルに応じた整備機能の分類
(2) 各段階への整備機能の責任の割当
(3) 実施する作業の複雑さ、奥深さ、規模及び範囲に応じた整備項目の割当
(4) 資器材を最も経済的に使用できる整備レベルにおける該当するすべての整備項目及び支援業務の完遂
(5) 全レベルにおけるNAMPの管理を支援するためのデータの収集、分析及び利用
3.1.1.1 Oレベル整備
3.1.1.1.1 Oレベル整備は、運用部隊が自らの運用を支援するために、日常的に実施するものである。 Oレベル・整備の役割は、部隊における整備プロセスの改善を図りつつ、保有する航空機及び航空器材を完全に任務達成が可能な状態に整備することである。 Oレベル整備は、IMA(Intermediate Maintenance Activity, 野整備)又はCOMFRC(Communication Fleet Readiness Center, 通信補給処)により実施される場合もあるが、通常は、航空機保有部隊に所属している整備員により実施される。
3.1.1.1.2 Oレベル整備の機能は、一般的に次のカテゴリーに分類される。
a. 点検
b. サービシング
c. (地上)取り扱い
d. 故障整備及び予防整備 (修理、取外、欠陥の生じた部品の交換を含む。)
e. 保有するSE(Support Equipment, 支援器材)で実施可能な規定限定内のTD(Technical Directive, 技術指令技術指令)の実施
f. 記録の保存及び報告の作成
g. RCM(Reliability Centered Maintenance, 信頼性重点整備)が適用された航空機及び器材のAE(Age Exploration, 耐用命数審査 )
3.1.1.2 Iレベル整備
3.1.1.2.1 Iレベル整備の役割は、補給整備系統の最下層に位置する使用部隊に対し、密接に連携した良質かつ適時の物的サポートを供給し、その戦闘即応性及び任務遂行能力を向上・維持することである。
3.1.1.2.2 Iレベル整備は、一時的支援の繰り返しによる物的支援をもって遂行されるものであり、次のとおり分類される。
a. 航空機構成品および関連支援器材の整備の実施
b. 指定された器材のIレベルの校正を伴うFCA(Functional Configuration Audit, 機能的構成検査)
c. 損傷した航空機からの航空機用構成品の回収
d. 被支援部隊に対する技術援助の提供
e. TD(Technical Directive, 技術指令)の実施
f. 指定された航空機用構成品、液体およびガスの製造
g. 要求された場合における機上整備の実施
h. RCM(Reliability Centered Maintenance, 信頼性重点整備)が適用された航空機及び器材のAE(Age Exploration, 耐用命数審査 )
3.1.1.3 Dレベル整備
3.1.1.3.1 Dレベル整備は、整備後の運用期間における機体及び機体システムの継続的な信頼性保証するため、FRC(Fleet Readiness Center, 海軍補給処)又はその付近で実施されるものである。 Dレベル整備は、また、要求に応じ、部品、組部品等の主要なオーバーホール又は再組立を実施する。 さらに、Dレベル整備には、部品の製造、変更、試験、点検、サンプリング及び再生が含まれる。 FRC(Fleet Readiness Center, 海軍補給処)は、技術援助を提供し、部隊等の能力を超える整備を実施することにより、Oレベル及びIレベル整備を支援する。
3.1.1.3 Dレベル整備の機能は、以下の事項について実施される。 一般的な機能は次の通りに区分される。
a. 航空機のSDLM (Standard Depot Level Maintenance, 標準補給処レベル整備)に示される標準および特別改修
b. エンジン、構成品及びSE(Support Equipment, 支援器材)の改修及び修理
c. 海軍校正ラボラトリー及びNPSL(Navy Primary Standards Laboratory, 海軍基本標準ラボラトリー)における校正
d. TD(Technical Directive, 技術指令)の実施
e. 航空機、エンジンおよびSE(Support Equipment, 支援器材)の改修
f. 部品又はキットの製造又は改修
g. 現地派遣チームによる技術支援
h. RCM(Reliability Centered Maintenance, 信頼性重点整備)が適用された航空機及び器材のAE(Age Exploration, 耐用命数審査 )
出典:The Naval Aviation Maintenance Program (NAMP)(2015 June 15)
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