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陸軍航空の情報センター

視認進入は「安易な近道」ではない

Op-ed, Opinions, Ideas, and Information(寄稿、意見、アイデアおよび情報)

上級准尉3 ダグラス・レイモンド
第15軍事情報大隊

ここに表明された見解は専門的な議論を喚起するためのものであり、アメリカ陸軍またはアメリカ陸軍コンバット・レディネス・センターの方針を示すものではない。

視認進入(ビジュアル・アプローチ)は、民間・軍事を問わず航空の世界では日常的に行われているものです。それは効率的であり、管制官のワークロードを軽減し、飛行場周辺(ターミナル)での運航をスムーズにしますが、そこにはリスクも潜んでいます。複雑な任務、空域の混雑、高い運用頻度(オペレーショナル・テンポ)が常態である陸軍航空において、視認進入を受け入れるという判断は、流れ作業ではなく、明確な意思決定に基づいて行われるべきです。

FAA(連邦航空局)の最近のガイダンス (SAFO 25001) では、滑走路の誤認、アンステーブル・アプローチ(不安定な進入)、およびニア・インカージョン(滑走路誤進入未遂)といった多数のインシデントが報告されています。これらはすべて、実施要領が不適切であったか、あるいはそもそも受け入れるべきではなかった視認進入に起因するものです。これは民間航空だけの問題ではありません。陸軍機も同じNAS(全米空域システム)を使用し、民間との共用飛行場を飛び、VFR(有視界飛行方式)環境下において同様の課題に直面しているのです。

「慣れ」という落とし穴

誰しも経験があるはずです。VMC(有視界気象状態)で、予定より早く到着し、管制官から「視認進入(ビジュアル・アプローチ)」を許可される場面です。上手く計画できた「ご褒美」のように感じるかもしれません。IAP(計器進入方式)を省略し、経路をショートカットして、早く着陸できる――。しかし、視認進入には「隠れたワークロード」が潜んでいます。

着陸形態(フラップやランディングギアの操作など)の変更や、アビオニクス(航空電子機器)の再設定を慌ただしく行う必要があり、しかもそれは、長時間の自動操縦(オートパイロット)モードから抜けた直後にやってくることが多いのです。操縦席の中でタスク処理に追われ、計器盤に目を落としている(ヘッズ・ダウン)間に、気付けば「高すぎる」「速すぎる」、あるいは「十分なブリーフィングができていない」状態に陥ってしまう危険性をはらんでいます。

FAAのSAFO(運航者への安全警告)は、視認進入(ビジュアル・アプローチ)に関連する具体的な危険要因として以下を挙げています。

これらは、我々陸軍航空で見られる傾向とも一致しています。これらのインシデント・レポートに共通するのは、一日の終わりの遅い時間帯、疲労が蓄積している時、あるいは複雑な共用飛行場での運航中に視認進入を受け入れている点です。

「アンエイブル」と言える権限

陸軍パイロットは、特に管制空域において、ATC(航空管制官)の指示を何でも受け入れなければならないというプレッシャーを感じがちです。しかし、FAR(連邦航空規則)91.3およびAIM(航空路誌)5-4-20は明確に規定しています。PC(機長)こそが、航空機の安全運航に対する完全な権限と責任を有しているのです。

もし視認進入(ビジュアル・アプローチ)によって不安全な状態(高い降下率、低いエネルギー状態、滑走路への正対不良など)が生じるなら、迷わず「アンエイブル(不可能)」と通報し、計器進入を要求してください。忘れないでください、ATCは要求があれば計器進入を発出する義務があるのです。

「視認進入」=「適当」ではない

視認進入(ビジュアル・アプローチ)を受け入れるならば、IAPと同様にしっかりとしたブリーフィングが必要です。利用可能なすべてのツールを活用してください。

視認進入は、他のあらゆる精密進入と同様に、十分な計画、規律、そして濃密なクルー・コーディネーション(連携)が求められる、れっきとした「アプローチ」なのです。

運用上の教訓

結言

視認進入(ビジュアル・アプローチ)は、正しく運用されれば安全かつ効率的です。しかし、それは決して「着陸への安易なフリーパス」ではありません。慎重な意思決定とクルーの規律を重んじる安全文化において、我々陸軍パイロットは、特に今日の複雑で混雑した空域においては、他のどのアプローチに対しても払うのと同じ敬意を持って、視認進入に臨むべきです。

もし、ブリーフィング無しで直前のILS(計器着陸装置)進入を受け入れないのであれば、それと同様に準備無しで視認進入を受け入れてはなりません。

           

出典:FLIGHTFAX, U.S. Army Combat Readiness Center 2026年01月

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