AVIATION ASSETS

陸軍航空の情報センター

UASの代替承認フロー

軍属ジェレミー・リマーおよび軍属アーロン・デイビス

米国陸軍の CCDC(Combat Capabilities Development Command, 戦闘能力開発コマンド)、AvMC(Aviation & Missile Center, 航空及びミサイル・センター)、SRD(Systems Readiness Directorate, システム・レディネス局)の UAS (Unmanned Aircraft Systems, 無人航空機システム)耐空性部門は、陸軍 UASの耐空性証明に関する基準の確立および AWR (Airworthiness Release, 安全性改善通報)の発行を行っている。

UAS の供給(装備化)を可能にする耐空性認定は、変化する現代の戦場力学において UAS の統合を進めるための画期的な一歩となる。

現在、すべての陸軍の非継続プログラム UAS は、AQL(Airworthiness Qualification Level, 耐空性認定レベル)3 の AWR に基づいて飛行している。これらの機体は、完全な耐空性認定を満たしていないか、または従来の耐空性実証文書を取得していない。所定の制限内で任務を完遂するのに必要な安全性および有効性を実証するため、徹底的な危険見積およびリスク受容に加えて、機体の物理的評価および技術的な意見交換を伴う飛行デモンストレーションが行われてきた。これらのプロセスにより、周到なリスク管理を行いながら開発を進めることができた。

SRD の UAS 耐空性部門では最近になって、一般的な無改造の小型 UAS プラットフォームの運用承認を取得するためのプロセスを合理化する試験プログラムを開始した。

一般的に使用されている民生 UAS は、耐空性およびリスクについて評価されたうえで、現在 31 の小型 UAS が含まれている CUD(CLEAR (Controlled List of Evaluated & Released, 評価およびリリース済み管理リスト)UAS Document, CLEAR UAS ドキュメント)に掲載されている。SRD は、UAS が無改造であることを条件として、CUD に掲載された UAS を運用のために必要な暫定的な CLEAR UAS AWR を発行した。

CLEAR UAS AWR は、CUD に記載された UAS に対する部隊ごとの AWR を不要にするものであり、追加の小型 UAS がユーザーのニーズおよびプラットフォームの特性に基づいた評価を受けるにつれて拡大される予定である。CLEAR UAS AWR プロセスは、対象となる UAS のための代替承認フローを確立する。

CUD に掲載された UAS の耐空性の開発、評価、および証明は、安全性を維持した責任ある方法で行わなければならないが、新技術のタイムリーな導入を過度に阻害するものであってはならない。CUD および CLEAR UAS AWR は、ユーザーがタイムリーかつ負担の少ないプロセスを通じて、一般的な無改造の UAS を運用できるようにするためのプログラムの一部である。

CLEAR UAS AWR により、SRD は、提案された CLEAR UAS プラットフォームの形態、一般的な使用法、および作戦環境に基づいて初期評価を実行できる。飛行業務を実施する必要がある陸軍の組織および部隊は、標準化された報告文書を使用して、UAS の機種および計画された飛行手続きを飛行の直前に SRD に報告する。

UAS プラットフォームの認定は限定的であるため、CLEAR UAS には運用組織によるリスク受容が残ることになる。そのリスク受容プロセスにおいては、安全上の危険要因の特定、要因の重大度の評価、および発生確率の決定が必要となる。CLEAR UAS には、ミリタリー・スタンダード(MIL-STD)-882E に従って、RAC(Risk Assessment Code, リスク・アセスメント・コード)を割り当てる必要がある。CLEAR UAS の RAC は、低(LOW)リスク・レベルに留まる場合が多い。運用組織が特定されたリスクを評価し、受け入れたことは、標準化された報告書によって確認される。

SRD は、完了した報告書を迅速にレビューした後、CLEAR UAS AWR に基づく運用許可を回答する。追加装備や基本形態の変更などの改造が行われた UAS は、従来の AWR ワークフローを通じて処理される。

CUD に含めることのできる UAS プラットフォームには制限がある。弾薬、爆発物、カートリッジ・アクティベーテッド・デバイス(少量の火薬を爆発させた際に発生するガス圧を利用して、瞬間的に強力な機械的動作を行う装置)、またはいかなる兵器を装備したシステムも CUD には含まれず、CLEAR UAS AWR による飛行は認可されない。リストに掲載されたシステムには、アイセーフではないレーザーの搭載、キル・チェーン(攻撃目標の探知から破壊に至るまでの一連のプロセス)の一部としての利用、またはストレージ・キャリッジ(兵装、物資、センサーなどのペイロードを機体に保持・運搬するための機構)やリリース・メカニズム(搭載しているペイロードを意図的に機体から切り離す、投下する、あるいは射出するための機構)の使用が許可されない。また、一人の操縦者が一度に一機の UAS を操作する運用に限定される。CUD または CLEAR UAS AWR の制限外での UAS 運用は、従来の UAS 耐空性プロセスを通じて管理される。

SRD の UAS 耐空性部門は、本試験プログラムの拡大を可能にする洗練された CLEAR プロセスを構築するため、陸軍 UAS コミュニティとの連携を歓迎する。CUD への UAS の掲載は、SRD による推奨を表すものではなく、また、現在 CUD に掲載されていない他の UAS の使用を制限するものでもない。

ジェレミー・リマー氏は特別プロジェクト UAS サブジェクト・マター・エキスパートであり、アーロン・デイビス氏は特別プロジェクト UAS エンジニアである。両名とも、アラバマ州レッドストーン兵器廠にある米国陸軍 CCDC AvMC SRD の UAS 部門に配属されている。

                               

出典:ARMY AVIATION, Army Aviation Association of America 2023年10月

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。

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1件のコメント

  1. 管理人 より:

    2023年の記事です。
    現在は、状況が変わっているかもしれません。