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METT-TC(I)

「METT-TC (I)」とは、アメリカ陸軍の野外令(FM-3.0 Operation)2022年版などで説明されている「任務変数(Mission Variables)」です。

FM-3.0には次のように記述されています。

「指揮官は、作戦変数によって分類された情報を、与えられた任務との関連で分析する。作戦変数と組み合わせて、状況の理解を深め、作戦を可視化し、記述し、指示するために、任務変数を使用する。任務変数は、任務(mission)敵(enemy)地形と天候(terrain and weather)使用可能な部隊と支援(troops and support available)利用可能な時間(time available)民事考慮事項(civil
considerations)
であり、それぞれが情報考慮事項(informational considerations)を必要とする。任務変数は「METT-TC (I)」として表される。」
(出典:Milterm「FM 3-0 Operations」(2022年版)【第1章 作戦の基礎】)

この「任務変数」は陸上自衛隊でいうと「状況の特質」にあたるようです。簡単に言えば、任務分析において考慮されるべき項目ということでしょうか。その根底にある原則は、複雑で不確実な状況において健全な意思決定を行うために必要な概念的ツールを指導者に提供し、それによって任務達成を強化し、部隊を保全することです。

この「任務変数」は、1980年代初頭から2022年にかけて、「METT」→「METT-T」 → 「METT-TC」 → 「METT-TC(I)」 へと変遷してきました。その理由は、技術の進歩、新たな戦略的状況、そして苦労して得た作戦経験により顕著になった戦争の重要な側面に対処するためです。

頭字語主要な追加要素正式導入/普及のおおよその年
METT基本線1980年代初頭
METT-T利用可能な時間1982年頃
METT-TC民事考慮事項2001年頃
METT-TC(I)(情報)考慮事項2022年頃
任務変数の変遷

私にとってMETT-TC(I)は、現職の頃はもちろん、退職してからも様々な場面で私の判断を助けてくれた超重要ツールです。

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発行:Aviation Assets 2025年01月

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1件のコメント

  1. 管理人 より:

    METTの変遷を追記しました。