AVIATION ASSETS

陸軍航空の情報センター


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FADEC-F 緊急時の対応要領

搭乗員訓練マニュアル(aircrew training manual, ATM)への記載が予定されている緊急時の対応要領について、紹介したいと思います。この対応要領は、陸軍航空職種内で運用されているすべての回転翼機に適用できる、共通操作手順の確立を目指して生み出されたものです。陸軍航空搭乗員訓練マニュアルのタスク1070に、搭乗員の緊急対応を容易にするための、全機種に共通する簡明な手順が追加されることになるのです。その手順は、次の略語で表現されます。

FADEC-F

FADEC-Fとは、どういう意味を持つのでしょうか? もちろん、全デジタル電子式エンジン制御装置(Full Authority Digital Engine Control)を意味するFADECとは、全く関係がありません。FADEC-Fは、緊急時における対応手順の記憶法なのです。

FADEC-Fとは:
F – Fly the aircraft.(航空機を飛ばせ)
A – Alert the crew to the problem.(問題発生を警報せよ)
D – Diagnose the emergency condition or system malfunction.(本当に緊急状態なのかを判断せよ)
E – Execute the emergency procedure.(緊急操作手順を実施せよ)
C – Communicate.(情報を共有せよ)
F – Fly the aircraft.(航空機を飛ばせ)

各機種別の搭乗員訓練マニュアルへのFADEC-Fの記載は、パイロットおよび搭乗整備員に、いかなる緊急事態にも対応可能な、理にかなった標準的手順をもたらすことになります。さらに、タスク1070「緊急時の対応」自体も、この手順に基づき、修正されることになります。

この共通的手順は、すべてのパイロットおよび搭乗整備員のための行動基準となり、その操作および責任を明確かつ簡潔に規定するための基本概念となります。すべての陸軍機に適用されるこの方法論は、次のチームのメンバーで構成されるワーキンググループが行った事故データの統計分析から導き出されたものです。
・米陸軍戦闘即応センター(Army Combat Readiness Center, USACRC)
・評価標準化局(Directorate of Evaluation and Standardization, DES )
・訓練教義局(Directorate of Training and Doctrine,DOTD)
・米国陸軍航空医学研究所(United States Army Aeromedical Research Laboratory, USAARL)
・航空およびミサイル・コマンド(Aviation and Missile Command, AMCOM)
・特殊作戦航空連隊(Special Operations Aviation Regiment, SOAR)、および航空機プログラム管理(Program Management, PM)オフィス

FADEC-Fの手法は、単なる常識的手順のように見えますが、そうではないことが航空事故データによって裏付けられています。アメリカ陸軍の教育訓練は、行動によって生じる人的ミスを可能な限り排除するための教育基準および標準化手順によって体系づけられているのです。

緊急時の対応要領にFADEC-Fを導入・活用することにより、緊急事態が発生した際に、それに対処する有効な標準的手法を搭乗員に与えることができます。搭乗員全員による緊急事態対処を可能にし、パイロットおよび搭乗整備員の行動を明確化することにより、適切な対応を可能にするとともに、緊急事態の発生状況に関する全搭乗員の状況把握を容易にできるのです。

最後に、次の5つの質問に答えてください。
1 FADEC-Fのそれぞれの文字は、何を意味するのでしょうか?
2 FADEC-Fの手順は、緊急対応を行うパイロットや搭乗整備員に何をもたらすでしょうか?
3 FADEC-Fは、標準化手順のひとつですか? 「はい」か「いいえ」で答えてください。
4 FADEC-Fは、パイロットだけのためのものですか? 「正しい」または「誤り」で答えてください。
5 過去30日間に機種別の搭乗員訓練マニュアルを参照したことがありますか? 「はい」か「いいえ」で答えてください。

                               

出典:FLIGHTFAX, U.S. Army Combat Readiness Center 2020年05月

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。

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1件のコメント

  1. 管理人 より:

    「警報灯点灯」→「緊急操作手順」ではなく、その前後にやるべきことがあるということだと理解しました。何よりも忘れてならないのは、「Fly the aircraft.」なのです。