AVIATION ASSETS

陸軍航空の情報センター

冬の気象を克服する

航空部
アメリカ陸軍戦闘即応センター分析・予防部局
フォート・ノボセル、アラバマ州

冬季には、気象が急速に悪化し、視界不良、乱気流、着氷など、何らかの対処が必要な問題が生じる場合が少なくありません。幸いなことに、これらの問題に対処するためのツールが2つあります — 飛行計画と気象ブリーフィングです。

冬季の気象条件において、安全に飛行するための手順は、正確な気象ブリーフィングから始まります。 さらに、そこで示された予報は、飛行中も継続的に更新されなければなりません。機長には、飛行のあらゆる側面を評価し、安全を確保できるかどうかを判断する責任があります。また、気象状態の悪化を把握するため、飛行中も気象状況を継続的に確認しなければなりません。最優先にすべきなのは、搭乗者と搭乗員の安全を確保することなのです。

飛行搭乗員は、飛行経路間の気象状況の変化に対応するための腹案を保持し、行動の自由を失わないようにしなければなりません。冬季間は大気の状態が急速に変化する場合が多く、気象ブリーフィングで示された予報は時期を逸したものになりがちです。

飛行計画を作成したならば、予想される飛行条件に応じた装備が使用可能なことを確認しなければなりません。飛行前点検においては、着氷条件に遭遇した場合に必要な除氷装置や防氷装置に特に注意を払うべきです。また、離陸前にもう一度気象情報を更新し、計画されている飛行経路上の気象状況の変化を把握すべきです。

冬季にIMC(計器気象状態)での離陸が決定された場合は、機体への着氷の可能性について、細心の注意を払う必要があります。機体の揚力性能への影響を回避するためには、着氷の有無を継続的に監視し、必要な措置を講じなければなりません。航空機の操縦舵面に過度な着氷が生じた場合は、出力設定を上げて、揚力の低下を補う必要があります。防氷装置や除氷装置で問題を解消できた場合でも、長時間にわたって着氷しやすい環境に留まることは好ましくありません。

自分の機体が失速やスピン状態に陥ることを望むパイロットはいません。気象状況に不安を感じたならば、高度の変更を要求してIMCから脱出のも一つの選択肢です。また、飛行経路の変更を要求することも一案です。最終的な手段としては、できるだけ速やかに最寄りの空港に着陸し、天候の回復を待つこともできます。

パイロットは、天候の変化に応じた状況判断を継続して行わなければなりません。悪天候や上層部からの圧力のために不安全状態に陥ることのないよう、常に先を見越した行動をとることが重要です。任務を完遂し、搭乗員と搭乗者の安全を確保するためには、適切な飛行計画の作成と継続的な気象状況の把握が欠かせないのです。

                               

出典:Risk Management, U.S. Army Combat Readiness Center 2024年11月

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。

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