航空事故発生状況：AH-64D 昼間偵察

複数機による偵察任務を遂行中、地上高度約2000フィート、対気速度94ノットで飛行していたAH-64Dが、飛行中に致命的な故障を起こし、機体が破壊され、2名が死亡した。

発生状況

事故機の任務は、昼間および暗視装置を使用した、山岳地帯での2機編隊による計画された警戒/偵察任務であった。搭乗員は0400に機体位置で機付長と会合し、飛行前点検を完了した。0500、搭乗員は、S-2、気象、戦術運用/S-3に関する任務ブリーフィングを受けた。当初の任務は、展開地警戒飛行と、それに続く友軍支援のための地域警戒/偵察任務だった。天候は9,000フィートに少量の雲があり、19,000フィートにブロークン（雲量5/8~7/8）のシーリングがあった。視界は良好だった。風向は280度、風速は3ノットだった。気温は17℃で、気圧高度は約5000フィートだった。

編隊は現地時間0600に離陸し、展開地警戒を完了した。0700頃にエンジン停止し、次の任務まで待機した。機体に問題は見られず、搭乗員は気象情報を更新した。短い休憩の後、飛行間点検を完了し、エンジンを始動して0750に離陸した。事故機は僚機（2番機）の位置についた。編隊は、それから1時間10分間、地上部隊を支援するため、各チェックポイントの偵察を行った。0900、2番機が長機を支援するための高高度警戒を行っている間に、無線交信が途絶えた。その直後、長機は地上で火災を目撃した。その後の捜索により、僚機の墜落現場が発見された。

搭乗員の練度

後席の機長は、総飛行時間2,200時間以上、そのうちAH-64での飛行は1,900時間（うち950時間は教官操縦士/IEとして）であり、夜間視覚装置での飛行時間は600時間だった。前席の副操縦士は、総飛行時間400時間、AH-64Dで270時間、夜間暗視装置での飛行時間は120時間だった。

考察

本事故の調査は進行中である。事故調査委員会は、メインローター系統の器材の故障が操縦不能を引き起こしたことにより機体が墜落したと考えている。航空機は大破し、2名のパイロットが死亡した。回収した航空機部品の分解分析を実施し、故障の原因を特定する作業が進められている。