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米陸軍初の「ベスト・ドローン・ウォーファイター競技会」―200名超のUASオペレーターが精鋭を競う

ケン・ホルダー

米陸軍はこのほど、初の「ベスト・ドローン・ウォーファイター競技会」を開催し、その優勝者を決定した。陸軍内でも最高の技量を持つ小型無人航空機システム(small unmanned aircraft system、UAS)オペレーター200名以上が一堂に会し、3日間にわたって熱気あふれる競い合いを繰り広げた。2026年2月17日から19日にかけてアラバマ州ハンツビルで開催されたこのイベントには900名以上が参加し、ドローン技術が近代の戦場をいかに急速に変革しつつあるかを改めて浮き彫りにした。

競技会のスタート・ゴール用ランディング・パッドに置かれた2機のネロス・アーチャー・ドローン。ネロス社は、競技者が使用した30機以上のアーチャーを提供した。

「この競技会の参加者を前にして、私は非常に気分が高揚しています。皆さんはまさに精鋭中の精鋭であり、その実証された戦術、技術および手順(Tactics, Techniques, and Procedures、TTPs)は、すべての戦闘技量に採用・普及させ得るベスト・プラクティスをもたらしてくれるでしょう。この競技会は、ベスト・ドローン・オペレーター、ベスト・タクティカル・スクワッド、ベスト・ユニット・イノベーションという3つの種目からなり、その高度な内容は卓越性を追求したものとなっています。これら3つの種目は、我々戦闘員がこの分野で優勢を確立するために必要なものを体現しています」と、アメリカ陸軍航空教育研究センター司令官、クレア・ギル少将(フォート・ラッカー、アラバマ州)は述べた。

同競技会は、アメリカ陸軍航空教育研究センターおよびアメリカ陸軍機動教育研究センターが主催し、アメリカ陸軍航空協会(Army Aviation Association of America、AAAA)が協賛するとともに、アラバマ州ハンツビルのアラバマ大学と連携して開催された。この連携により、実戦的な専門知識、機関教育および産業界が学術界と融合され、革新の加速に向けた陸軍の意欲が示された。

高い練度を要求される3つの種目において、競技者たちはスピード、精度、チームワーク、そして創意工夫を発揮した。ベスト・ドローン・オペレーター種目では、FPV(一人称視点)対応のネロス・アーチャー・ドローンを操縦して複雑な障害コースを走破し、反射神経と技術的な習熟度を競った。タクティカル・スクワッド種目では2名1組となり、時間的制約の中で目標識別・追跡・模擬無力化を要求されるクロスカントリー・ハンター・キラー任務に臨んだ。イノベーション種目では、隊員が設計した技術が審査員団によって審査され、生存性、致死性、戦場適応性の向上が評価の焦点となった。

2026年の優勝者たちは、正規軍、予備役、州兵にわたる全陸軍の縮図ともいえる顔ぶれとなった。ベスト・ドローン・オペレーターの称号を獲得したのは、テキサス州フォート・フッドの第1騎兵師団に所属する3等軍曹ジャヴォン・パーチャーであった。ベスト・タクティカル・スクワッドを受賞したのは、ドイツ・ヴィルセックの第2騎兵連隊に所属する2等軍曹エンジェル・カリスおよび特技兵ジョナ・バークスであった。ベスト・イノベーション種目では、ペンシルベニア州陸軍州兵の第28歩兵師団に所属する中尉ライアン・ジャロナルド、上級准尉3ロバート・リード、上級准尉2ネイサン・シェア、1等軍曹ブレント・ウェアが、プロジェクトRED(回収活用型ドローン、Recovery Exploitation Drone)と称される先進的なコンセプトにより最優秀に輝いた。

3等軍曹ジャヴォン・パーチャー(第1騎兵師団、テキサス州フォート・フッド)— ベスト・ドローン・オペレーター
2等軍曹エンジェル・カリスおよび特技兵ジョナ・バークス(第2騎兵連隊、ドイツ・ヴィルセック)— ベスト・タクティカル・スクワッド
中尉ライアン・ジャロナルド、上級准尉3ロバート・リード、上級准尉2ネイサン・シェア、1等軍曹ブレント・ウェア(第28歩兵師団、ペンシルベニア州陸軍州兵)— ベスト・イノベーション

受賞者に対しては、閉会式で陸軍長官ダン・ドリスコルから祝福の言葉が送られた。

閉会式で出席者に言葉を述べる陸軍長官ダン・ドリスコル

しかし、この競技会の意義はトロフィーを争ったことだけにとどまらない。強調されるべきことは、有効なTTPsを見極め、部隊全体に迅速に普及させたことにこそ真の価値があるということである。小型UASが偵察、目標捕捉、部隊防護においてますます中心的な役割を担うにつれ、陸軍は競合環境に迅速に適応できるオペレーターの育成に力を注いでいる。

第1騎兵師団(テキサス州フォート・フッド)の競技者たちとともに障害コースの前で記念撮影を行うAAAA全国役員会のメンバー

ベスト・ドローン・ウォーファイター競技会は、現役隊員、陸軍予備役、陸軍州兵に競争と革新の共通の場を与えることで、明確なメッセージを発信した。すなわち、無人システムはもはやニッチな装備品ではないということである。無人システムは近代戦闘における決定的な要素であり、陸軍はこの分野での優勢確立に強固な意志を持って臨んでいる。

AAAAの上席副会長は次のように述べた。「アメリカ陸軍航空協会として、この初の「ベスト・ドローン・ウォーファイター競技会」に携わることができたことを、この上なく誇りに思っています。戦争の未来へと向かうこの技術的跳躍の最前線で米陸軍と肩を並べられることは、この上ない名誉です。この競技会のみならず、AAAAおよび陸軍航空のすべての活動に対して多大な支援を惜しまない産業各界の協賛企業に、特段の感謝を申し上げます。また、このイベントの実現に欠かせない存在であったアラバマ大学ハンツビル校と、開催を支援いただいたハンツビル市にも感謝いたします。」

本記事の内容は、Army Aviation誌編集長 ケン・ホルダーが複数の情報源に基づいて取りまとめたものです。

訳者コメント:米陸軍は2026年2月、初の「ベスト・ドローン・ウォーファイター競技会」を開催し、正規軍・予備役・州兵から200名超のUASオペレーターが参集しました。単なる技量競技にとどまらず、実証されたTTPsを迅速に全軍へ普及させることを主眼に置いている点が特徴的です。小型UASが偵察・目標捕捉・部隊防護の中核を担う時代を迎え、陸自においても無人システムの戦術的運用能力の体系的な育成が急務となっています。
                               

出典:ARMY AVIATION, Army Aviation Association of America 2026年03月

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。

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