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陸軍航空の情報センター

航空事故発生状況-AH-64Dテールローターの飛散

事故機は演習場内で3機編隊の2番機として訓練飛行を行っていた。訓練課目には、昼間編隊飛行、応急攻撃および紛争対処が計画されていた。

飛行の経過

2023年11月17日、編隊指揮官はR-COP(risk-common operating picture, リスクに関する状況認識の統一)を完了し、任務担当士官による対面でのブリーフィングの後、訓練の実施を承認された。編隊指揮官は上級部隊および当該部隊のSOP(standard operating procedures, 作戦規定)に従い、当該飛行任務の全体的なリスク区分を中リスクから低リスクに変更した。2023年11月20日(事故発生日)、最終任務承認権者は当該飛行任務を低リスクとして承認した。
2023年11月20日午前8時、事故機の搭乗員は勤務を開始し、機体の飛行前点検を実施した。0845-1000(現地時間)から、事故機の搭乗員は編隊ブリーフィングに参加し、その後機体ごとの搭乗員ブリーフィングを実施した。1152(現地時間)、事故機は3機編隊の1番機として訓練飛行を開始した。1250から1344(現地時間)の間、編隊は燃料補給を行った。再離陸後、計画された経路を飛行し、紛争対処訓練を実施した。その間に事故機は1番機から2番機に機位を変更した。1507(現地時間)頃、事故機のNo.2テール・ローター・ブレードが機体から分離した。それとほぼ同時にテール・ローター・アセンブリ全体が機体から分離した。機体の制御がほぼ瞬時に失われ、地面に激突した。

搭乗員の練度

機長の総飛行時間は1,531時間、そのうちAH-64Dの飛行時間は1,447時間、戦闘飛行時間は281時間であった。副操縦士の総飛行時間は225時間、そのうちAH-64Dの飛行時間は65時間であった。

考察

部隊整備員は、H-64-22 AMAM-05(Aviation Maintain Action Message, 航空整備実施指示)およびIETM(Interactive Electronic Technical Manual, 対話型電子整備実施規定)の25時間/14日点検に示された手順に精通しなければならない。AMAMにはテール・ローターの検査を適切に行うことの重大性が警告として記載されている。また、その手順を解説する動画がhttps://www.jtdi.mil/group/apache/3018813/refrence-indexに掲載されている(訳者注:一般には公開されていないようです)。「テール・ローター・ブレードの検査/修理」を実行する際には、この動画に併せてTM 1-1520-LONGBOW/APACHEを参照する必要がある。当該AMAMのコピーを添付する。

                               

出典:FLIGHTFAX, U.S. Army Combat Readiness Center 2024年02月

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

備考:本記事の翻訳・掲載については、出典元の承認を得ています。

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