つなげて読む周辺国軍の動き(2026年8月)
防衛省の統合幕僚監部(統幕)は、日本の周辺で中国やロシアなどの艦艇・航空機を確認するたびに、その動向を発表しています。この記事では、Jディフェンスニュース(JDN)が掲載した統幕の発表を艦艇ごとにつなぎ、2026年8月に始まった動きを、最初に確認された日の順に示します(9月まで続いた動きを含みます)。
地図は統幕の地図をもとに描き直したもので、実線は確認された区間、点線は経路が公表されていない部分を便宜的に結んだものです。位置は概略です。

8月の動きの一覧
| No. | 期間 | 国 | 艦艇・航空機 | 主な経路 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 8月4日〜21日 | ロシア | 巡洋艦、駆逐艦、フリゲート3隻 | 宗谷海峡 |
| 2 | 8月9日〜27日 | ロシア | ミサイル護衛哨戒艇6隻、ミサイル補給艦 | 宗谷海峡 |
| 3 | 8月10日・11日・21日 | ロシア | 情報収集機 | 日本海 |
| 4 | 8月12日 | 中国 | 情報収集機 | 東シナ海 |
| 5 | 8月18日 | 中国 | 情報収集機、無人機 | 東シナ海 |
| 6 | 8月19日 | 中国 | 情報収集機 | 東シナ海 |
| 7 | 8月22日〜9月15日 | 中国 | 駆逐艦2隻、フリゲート2隻 | 沖縄本島と宮古島の間、大隅海峡、奄美大島と横当島の間 |
| 8 | 8月25日 | 中国 | 情報収集機 | 東シナ海 |
| 9 | 8月31日〜9月7日 | ロシア | フリゲート | 宗谷海峡 |
1 ロシア海軍の巡洋艦・駆逐艦・フリゲート3隻(8月4日〜21日)
8月4日、礼文島の南西で、ロシア海軍のスラバ級ミサイル巡洋艦(艦番号「011」)、ウダロイⅠ級駆逐艦(艦番号「548」)、ステレグシチー級フリゲート3隻(艦番号「333」「335」「339」)の5隻が確認され、5日にかけて宗谷海峡を東進した。548は15日、011は20日、フリゲート3隻は21日に、それぞれ宗谷海峡を西進した。
出典:JDN(8月5日、8月17日、8月20日)、統幕(8月21日)

2 ロシア海軍のミサイル護衛哨戒艇6隻とミサイル補給艦(8月9日〜27日)
8月9日、礼文島の北西で、ロシア海軍のタランタルⅢ級ミサイル護衛哨戒艇4隻(艦番号「916」「946」「971」「978」)が確認され、宗谷海峡を東進した。10日には、同じ海域で同級の2隻(艦番号「921」「924」)とアムガ級ミサイル補給艦が確認され、宗谷海峡を東進した。4隻は14日に、3隻は27日に、宗谷海峡を西進した。

3 ロシア軍の情報収集機(8月10日・11日・21日)
8月10日と11日、ロシア軍のIL-20情報収集機1機が、日本海上空を南西進し、京都府沖で変針して大陸方面へ北進した(両日ともほぼ同じ経路)。21日には、IL-20情報収集機1機が、日本海上空を石川県沖まで飛行した後、反転して大陸方面へ飛行した。いずれも航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させた。21日の飛行は、8月に入って3回目である。
小泉防衛大臣は8月25日、「ロシアの軍事動向は、中国との戦略的な連携と相まって、防衛上の強い懸念となっています」と述べた。
出典:JDN(8月10日、8月12日)、統幕(8月21日)、防衛大臣の会見〔8月25日〕

4 中国軍の情報収集機(8月12日)
8月12日、中国軍のY-9情報収集機1機が、東シナ海上を男女群島の南方まで飛行した後、南西進し、沖縄本島の北西で変針して大陸方面へ飛行した。航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させた。
出典:JDN(8月12日)

5 中国軍の情報収集機と無人機(8月18日)
8月18日、中国軍のY-9情報収集機1機が東シナ海上を沖縄本島沖から男女群島沖にかけて飛行し、TB-001偵察/攻撃型無人機1機が男女群島沖から沖縄本島沖にかけて飛行した後、いずれも大陸方面へ飛行した。航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させた。
出典:JDN(8月18日)

6 中国軍の情報収集機(8月19日)
8月19日、中国軍のY-9情報収集機1機が、東シナ海上を男女群島の南方まで飛行した後、南西進し、沖縄本島沖で反転して、男女群島の南方と奄美大島沖の間を往復し、大陸方面へ飛行した。航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させた。
出典:JDN(8月19日)

7 中国海軍の駆逐艦2隻とフリゲート2隻(8月22日〜9月15日)
8月22日、久米島の南西で中国海軍のルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦(艦番号「159」)とジャンカイⅡ級フリゲート(艦番号「537」)が、久米島の西で同級の駆逐艦(艦番号「133」)とフリゲート(艦番号「535」)が確認され、いずれも沖縄本島と宮古島の間を南進して太平洋へ向かった。9月15日、159と537は都井岬の南東で確認され、大隅海峡を西進した。同日、133と535は奄美大島の北東で確認され、奄美大島と横当島の間を南西進した。4隻は東シナ海へ向かった。

8 中国軍の情報収集機(8月25日)
8月25日、中国軍のY-9情報収集機1機が、東シナ海上の沖縄本島沖で旋回した後、奄美大島沖と沖縄本島沖の間を往復し、北東進して男女群島沖で変針し、大陸方面へ飛行した。航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させた。
出典:JDN(8月25日)

9 ロシア海軍のフリゲート(8月31日〜9月7日)
8月31日、礼文島の西で、ロシア海軍のステレグシチー級フリゲート(艦番号「343」)が確認され、宗谷海峡を東進した。343は9月6日に宗谷岬の北東で確認され、7日にかけて宗谷海峡を西進した。

記事に登場した艦艇・航空機
| 艦種・機種 | 国 | 説明(JDN用語集による) |
|---|---|---|
| スラバ級ミサイル巡洋艦 | ロシア | 旧ソ連時代に就役した満載排水量1万t超の大型ミサイル巡洋艦 |
| ウダロイⅠ級駆逐艦 | ロシア | ロシア海軍の大型対潜駆逐艦 |
| ステレグシチー級フリゲート | ロシア | ステルス性を考慮した沿海域用の汎用フリゲート(用語集の「ステレグシチーⅡ級」の項による) |
| タランタルⅢ級ミサイル護衛哨戒艇 | ロシア | 満載排水量493tの大型のミサイル艇 |
| ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦 | 中国 | 中国海軍でのタイプ名は052D型 |
| ジャンカイⅡ級フリゲート | 中国 | 中国海軍の主力フリゲート(054A型) |
| Y-9情報収集機 | 中国 | Y-9輸送機の派生型で、レーダー情報、通信情報などの収集を行うとみられる |
本記事の略語
| 略語 | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| JDN | J Defense News | Jディフェンスニュース(日本の防衛と安全保障のニュースを掲載するウェブサイト) |
※この記事は、2026年10月9日時点でJDNに掲載されていた統合幕僚監部の発表(JDNに掲載されていない発表は、統合幕僚監部の報道発表資料)と記者会見の内容に基づいて執筆したものである。
出典:Aviation Assets 2026年10月8日
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