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陸軍航空の情報センター

つなげて読む周辺国軍の動き(2026年6月)

Aviation Assets 管理人

防衛省の統合幕僚監部(統幕)は、日本の周辺で中国やロシアなどの艦艇・航空機を確認するたびに、その動向を発表しています。この記事では、Jディフェンスニュース(JDN)が掲載した統幕の発表を艦艇ごとにつなぎ、2026年6月に始まった動きを、最初に確認された日の順に示します(7月以降まで続いた動きを含みます)。

地図は統幕の地図をもとに描き直したもので、実線は確認された区間、点線は経路が公表されていない部分を便宜的に結んだものです。位置は概略です。

2026年6月に確認された動きの全体図
図0 2026年6月に確認された動きの全体図。丸数字は節番号、日付は最初に確認された月日(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成。各節の地図を縮小して重ねた概略)

6月の動きの一覧

No.期間国艦艇・航空機主な経路
16月3日〜4日ロシア駆逐艦宗谷海峡
26月6日〜10日中国フリゲート、駆逐艦喜界島の東、奄美大島と横当島の間
36月10日〜7月19日中国情報収集艦大隅海峡、沖縄本島と宮古島の間
46月12日中国情報収集機、無人機東シナ海
56月19日〜7月1日中国フリゲート奄美大島と横当島の間、沖縄本島と宮古島の間
66月24日〜28日中国駆逐艦2隻対馬海峡
76月25日ロシアミサイル護衛哨戒艇2隻、ミサイル補給艦宗谷海峡
86月26日〜7月7日中国フリゲート、駆逐艦沖縄本島と宮古島の間、大隅海峡、奄美大島と横当島の間
96月26日〜28日中国駆逐艦奄美大島と横当島の間
106月27日中国・ロシア爆撃機、哨戒機、戦闘機日本海、東シナ海、四国沖
116月27日〜9月12日ロシア情報収集艦対馬海峡、沖縄本島と宮古島の間
126月27日〜7月30日中国フリゲート、補給艦、駆逐艦大隅海峡、沖縄本島と宮古島の間
136月28日ロシア駆逐艦宗谷海峡
146月29日〜7月7日中国情報収集艦、サルベージ救難艦奄美大島と横当島の間、大隅海峡
156月30日中国駆逐艦沖縄本島と宮古島の間

1 ロシア海軍の駆逐艦(6月3日〜4日)

6月3日、礼文島の西で、ロシア海軍のウダロイ級駆逐艦が確認され、4日にかけて宗谷海峡を東進した。

出典:JDN(6月4日)

ロシア海軍の駆逐艦の動き(6月3日〜4日)
図1 ロシア海軍の駆逐艦の動き(6月3日〜4日)(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成)

2 中国海軍のフリゲートと駆逐艦(6月6日〜10日)

6月6日、沖縄本島の南東で、中国海軍のジャンカイⅡ級フリゲート(艦番号「515」)とルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦(艦番号「155」)が確認された。2隻は8日から9日にかけて喜界島の東で遊弋(一定の海域を行き来しながら航行すること)した後、10日に奄美大島と横当島の間を南西進して東シナ海へ向かった。

出典:JDN(6月11日)

中国海軍のフリゲートと駆逐艦の動き
図2 中国海軍のフリゲートと駆逐艦の動き(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成)

3 中国海軍の情報収集艦(6月10日〜7月19日)

6月10日、口永良部島の西で、中国海軍のドンディアオ級情報収集艦(艦番号「796」)が確認され、大隅海峡を東進して太平洋へ向かった。796は7月18日に宮古島の南で確認され、19日に沖縄本島と宮古島の間を北西進して東シナ海へ向かった。

出典:JDN(6月11日、7月21日)

中国海軍の情報収集艦の動き
図3 中国海軍の情報収集艦の動き(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成)

4 中国軍の情報収集機と無人機(6月12日)

6月12日、中国軍のY-9情報収集機1機が、東シナ海上を男女群島の南方まで飛行した後、南西進し、沖縄本島沖で反転して大陸方面へ飛行した。同じ日、TB-001偵察/攻撃型無人機1機も、男女群島沖から南進し、沖縄本島沖で変針して大陸方面へ飛行した。航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させた。

出典:JDN(6月12日)

中国軍の情報収集機と無人機の飛行経路
図4 中国軍の情報収集機と無人機の飛行経路。Y-9が往復した部分は線を並べて描いた(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成)

5 中国海軍のフリゲート(6月19日〜7月1日)

6月19日、横当島の西で、中国海軍のジャンカイⅡ級フリゲート(艦番号「531」)が確認され、20日にかけて奄美大島と横当島の間を北東進して太平洋へ向かった。531は7月1日に沖縄本島の南西で確認され、沖縄本島と宮古島の間を西進して東シナ海へ向かった。

出典:JDN(6月22日、7月1日)

中国海軍のフリゲートの動き(6月19日〜7月1日)
図5 中国海軍のフリゲートの動き(6月19日〜7月1日)(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成)

6 中国海軍の駆逐艦2隻(6月24日〜28日)

6月24日に中国海軍のルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦(艦番号「117」)が、25日に同型の駆逐艦(艦番号「119」)が、それぞれ対馬の南西で確認され、対馬海峡を北東進して日本海へ向かった。2隻は、119が27日、117が28日に対馬海峡を南西進し、東シナ海へ向かった。

出典:JDN(6月25日、6月26日、6月29日)

中国海軍の駆逐艦2隻の対馬海峡通過
図6 中国海軍の駆逐艦2隻の対馬海峡通過。丸数字は通過の順(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成。通過ごとの線を並べて描いた)

7 ロシア海軍のミサイル護衛哨戒艇2隻とミサイル補給艦(6月25日)

6月25日、礼文島の北西で、ロシア海軍のタランタルⅢ級ミサイル護衛哨戒艇2隻(艦番号「921」「924」)とアムガ級ミサイル補給艦が確認され、宗谷海峡を東進した。

出典:JDN(6月25日)

ロシア海軍のミサイル護衛哨戒艇2隻とミサイル補給艦の動き
図7 ロシア海軍のミサイル護衛哨戒艇2隻とミサイル補給艦の動き(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成)

8 中国海軍のフリゲートと駆逐艦(6月26日〜7月7日)

6月26日、久米島の西で、中国海軍のジャンカイⅡ級フリゲート(艦番号「599」)が確認され、沖縄本島と宮古島の間を南東進して太平洋へ向かった。29日には、口永良部島の南西でルーヤンⅡ級ミサイル駆逐艦(艦番号「153」)が確認され、大隅海峡を東進して太平洋へ向かった。2隻は7月7日に奄美大島の北東でそろって確認され、奄美大島と横当島の間を南西進して東シナ海へ向かった。

出典:JDN(6月29日、6月30日、7月7日)

中国海軍のフリゲートと駆逐艦の動き(6月26日〜7月7日)
図8 中国海軍のフリゲートと駆逐艦の動き(6月26日〜7月7日)(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成)

9 中国海軍の駆逐艦(6月26日〜28日)

6月26日、横当島の南西で、中国海軍のルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦(艦番号「132」)が確認され、27日にかけて奄美大島と横当島の間を北東進して太平洋へ向かった。132は28日に同じ海域を南西進し、東シナ海へ向かった。

出典:JDN(6月29日)

中国海軍の駆逐艦の動き(6月26日〜28日)
図9 中国海軍の駆逐艦の動き(6月26日〜28日)(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成)

10 中国軍機とロシア軍機の共同飛行(6月27日)

6月27日、東シナ海から日本海に進出した中国のH-6爆撃機2機が、日本海でロシアのTu-95爆撃機2機、Tu-142哨戒機2機と合流し、東シナ海まで共同飛行した(中国のJ-16戦闘機2機、ロシアのSu-35戦闘機1機も飛行)。同じ日の午後には、ロシアのTu-95爆撃機2機に、大陸方面から飛来した中国のH-6爆撃機2機が合流し、東シナ海から四国沖の太平洋まで共同飛行した(ロシアのTu-142哨戒機2機、中国のJ-16戦闘機4機も飛行)。航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させた。

中国とロシアの爆撃機による日本周辺での長距離にわたる共同飛行は、2025年12月以来で10回目である。外交ルートを通じて、両国に重大な懸念が伝えられた。森田航空幕僚長は6月30日、「我が国に対する示威行動を明確に企図したものでありまして、我が国の安全保障上、重大な懸念と考えております」と述べた。

出典:JDN(6月27日、航空幕僚長の会見〔6月30日〕、統合幕僚長の会見〔7月3日〕)

中国軍機とロシア軍機の共同飛行
図10 中国軍機とロシア軍機の共同飛行(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成。航跡は概略で、各機の出入りの細部は統幕の地図を参照)

11 ロシア海軍の情報収集艦(6月27日〜9月12日)

6月27日、対馬の北東で、ロシア海軍のヴィシニャ級情報収集艦(艦番号「208」)が確認され、対馬海峡を南西進した。208は30日に久米島の南で遊弋した後、沖縄本島と宮古島の間を東進して太平洋へ向かった。9月9日に沖大東島の東で確認され、10日にかけて沖縄本島の南東から久米島の北西の海域を航行して東シナ海に入り、12日に対馬海峡を北東進して日本海へ向かった。

出典:JDN(6月29日、7月1日、9月10日、9月14日)

ロシア海軍の情報収集艦の動き
図11 ロシア海軍の情報収集艦の動き(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成)

12 中国海軍のフリゲート・補給艦・駆逐艦(6月27日〜7月30日)

6月27日から28日にかけて、中国海軍のジャンカイⅡ級フリゲート(艦番号「546」)、フチ級補給艦(艦番号「902」)、レンハイ級ミサイル駆逐艦(艦番号「101」)が、口永良部島の西から大隅海峡を東進して太平洋へ向かった。7月25日、546と902が宮古島の東で確認され、沖縄本島と宮古島の間を北西進したが、546は久米島の南西で反転し、同じ海域を南進して太平洋へ向かった。30日、546と101が宮古島の北東で確認され、沖縄本島と宮古島の間を北西進して東シナ海へ向かった。

出典:JDN(6月29日、7月27日、7月30日)

中国海軍のフリゲート・補給艦・駆逐艦の動き
図12 中国海軍のフリゲート・補給艦・駆逐艦の動き(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成)

13 ロシア海軍の駆逐艦(6月28日)

6月28日、宗谷岬の北西で、ロシア海軍のウダロイⅠ級駆逐艦(艦番号「548」)が確認され、宗谷海峡を西進した。

出典:JDN(6月29日)

ロシア海軍の駆逐艦の動き(6月28日)
図13 ロシア海軍の駆逐艦の動き(6月28日)(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成)

14 中国海軍の情報収集艦とサルベージ救難艦(6月29日〜7月7日)

6月29日、横当島の西で、中国海軍のドンディアオ級情報収集艦(艦番号「795」)が確認され、奄美大島と横当島の間を北東進して太平洋へ向かった。795は7月7日に種子島の東でハイジウ101級サルベージ救難艦(艦番号「861」)とともに確認され、大隅海峡を西進して東シナ海へ向かった。

出典:JDN(6月29日、7月9日)

中国海軍の情報収集艦とサルベージ救難艦の動き
図14 中国海軍の情報収集艦とサルベージ救難艦の動き(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成)

15 中国海軍の駆逐艦(6月30日)

6月30日、久米島の南西で、中国海軍のレンハイ級ミサイル駆逐艦(艦番号「109」)が確認され、沖縄本島と宮古島の間を南東進して太平洋へ向かった。

出典:JDN(6月30日)

中国海軍の駆逐艦の動き(6月30日)
図15 中国海軍の駆逐艦の動き(6月30日)(統合幕僚監部の公表資料をもとに作成)

記事に登場した艦艇・航空機

艦種・機種国説明(JDN用語集による)
ウダロイⅠ級駆逐艦ロシアロシア海軍の大型対潜駆逐艦
タランタルⅢ級ミサイル護衛哨戒艇ロシア満載排水量493tの大型のミサイル艇
ルーヤンⅡ級ミサイル駆逐艦中国中国海軍で初めて4面固定式のフェーズドアレイ・レーダーを装備した駆逐艦(052C型)
ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦中国中国海軍でのタイプ名は052D型
レンハイ級ミサイル駆逐艦中国中国海軍での名称は055型駆逐艦
ジャンカイⅡ級フリゲート中国中国海軍の主力フリゲート(054A型)
ドンディアオ級情報収集艦中国各種の電子情報等の収集にあたる艦(815A型)
フチ級補給艦中国中国海軍でのタイプ名は903型・903A型
Y-9情報収集機中国Y-9輸送機の派生型で、レーダー情報、通信情報などの収集を行うとみられる

本記事の略語

略語英語意味
JDNJ Defense NewsJディフェンスニュース(日本の防衛と安全保障のニュースを掲載するウェブサイト)

※この記事は、2026年10月2日時点でJDNに掲載されていた統合幕僚監部の発表と記者会見の内容に基づいて執筆したものである(2026年10月7日に改訂)。

関連リンク
Jディフェンスニュース|周辺国の動向
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