つなげて読む周辺国軍の動き(2026年7月)
防衛省の統合幕僚監部(統幕)は、日本の周辺で中国やロシアなどの艦艇・航空機を確認するたびに、その動向を発表しています。この記事では、Jディフェンスニュース(JDN)が掲載した統幕の発表を艦艇ごとにつなぎ、2026年7月に始まった動きを、最初に確認された日の順に示します(8月まで続いた動きを含みます)。
地図は統幕の地図をもとに描き直したもので、実線は確認された区間、点線は経路が公表されていない部分を便宜的に結んだものです。位置は概略です。

7月の動きの一覧
| No. | 期間 | 国 | 艦艇・航空機 | 主な経路 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 7月1日〜8月17日 | ロシア | 巡洋艦、潜水艦など4隻 | 対馬海峡、与那国島と西表島の間 |
| 2 | 7月6日 | 中国 | 情報収集機 | 東シナ海 |
| 3 | 7月9日〜27日 | ロシア | フリゲート | 宗谷海峡 |
| 4 | 7月16日〜8月3日 | 中国・ロシア | 駆逐艦2隻、補給艦、フリゲート | 沖縄本島と宮古島の間、太平洋、宗谷海峡、対馬海峡 |
| 5 | 7月20日 | ロシア | ミサイル護衛哨戒艇2隻、ミサイル補給艦 | 宗谷海峡 |
| 6 | 7月21日 | ロシア | 爆撃機、戦闘機など4機 | 日本海 |
| 7 | 7月22日〜8月16日 | ロシア | 情報収集艦 | 宗谷海峡 |
| 8 | 7月24日 | ロシア | 情報収集機 | オホーツク海、太平洋 |
| 9 | 7月24日〜25日 | ロシア | フリゲート | 宗谷海峡 |
| 10 | 7月27日 | ロシア | 情報収集機 | 日本海 |
1 ロシア海軍の巡洋艦・潜水艦など4隻(7月1日〜8月17日)
7月1日、対馬の北東で、ロシア海軍のスラバ級ミサイル巡洋艦(艦番号「011」)、キロ改級潜水艦、イゴリ・ベロウソフ級潜水艦救難艦、アルタイ改級補給艦の4隻が確認され、2日にかけて対馬海峡を南西進した。15日、011は対馬海峡を北東進して日本海へ向かった。潜水艦と救難艦は、19日に与那国島と西表島の間を南西進して太平洋へ出た後、8月13日に同じ海域を北東進し、16日から17日にかけて対馬海峡を北東進して日本海へ向かった。補給艦のその後は公表されていない。
出典:JDN(7月2日、7月15日、7月21日、8月14日、8月17日)

2 中国軍の情報収集機(7月6日)
7月6日、中国軍のY-9情報収集機1機が、東シナ海上を男女群島の南方まで飛行した後、南西進し、沖縄本島の北西で周回・北進して大陸方面へ飛行した。航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させた。
出典:JDN(7月6日)

3 ロシア海軍のフリゲート(7月9日〜27日)
7月9日、礼文島の北西で、ロシア海軍のステレグシチー級フリゲート(艦番号「335」)が確認され、10日にかけて宗谷海峡を東進した。335は27日に宗谷岬の北東で確認され、宗谷海峡を西進した。

4 中国海軍とロシア海軍の艦艇4隻の共同航行(7月16日〜8月3日)
7月16日、久米島の南西で、中国海軍のレンハイ級ミサイル駆逐艦(艦番号「103」)、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦(艦番号「124」)、フチ級補給艦(艦番号「903」)とロシア海軍のステレグシチー級フリゲート(艦番号「343」)の4隻が確認され、沖縄本島と宮古島の間を南進して太平洋へ向かった。343は、5月9日に対馬海峡を南西進し、6月27日に与那国島と西表島の間から東シナ海に入っていた艦である。
4隻は、19日に沖ノ鳥島の南西、21日に南硫黄島の南東から硫黄島の東、23日に犬吠埼の沖、25日に納沙布岬の南東を経て、27日に宗谷海峡を西進した。19日には、沖ノ鳥島の南西約180kmの日本の排他的経済水域(EEZ)内で124が機関銃による射撃訓練を実施し、外交ルートを通じて中国に申し入れが行われた。中国の3隻は、8月2日から3日にかけて対馬海峡を南西進し、東シナ海へ向かった。
小泉防衛大臣は7月22日、「今回の共同航行についても、両国の軍事面での連携強化に向けた動きの一環であると認識しているところです」と述べ、8月4日には「このような中露両国による一連の活動は、我が国に対する示威活動を明確に意図したものであり、我が国の安全保障上、重大な懸念と考えております」と述べた。
出典:JDN(7月16日、7月21日、7月21日、7月25日、7月29日、8月3日、防衛大臣の会見〔7月22日、8月4日〕)

5 ロシア海軍のミサイル護衛哨戒艇2隻とミサイル補給艦(7月20日)
7月20日、礼文島の北西で、ロシア海軍のタランタルⅢ級ミサイル護衛哨戒艇2隻(艦番号「921」「924」)とアムガ級ミサイル補給艦が確認され、宗谷海峡を東進した。
出典:JDN(7月21日)

6 ロシア軍の爆撃機・戦闘機など4機(7月21日)
7月21日、ロシア軍のTu-95爆撃機、Su-35戦闘機と推定ロシア機2機の計4機が、日本海上空を東進し、奥尻島沖で北進、神威岬沖で西進して大陸方面へ飛行した。航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させた。
出典:JDN(7月22日)

7 ロシア海軍の情報収集艦(7月22日〜8月16日)
7月22日、礼文島の西で、ロシア海軍のバルザム級情報収集艦(艦番号「80」)が確認され、宗谷海峡を東進した。80は8月15日から16日にかけて宗谷海峡を西進した。

8 ロシア軍の情報収集機(7月24日)
7月24日、ロシア軍のIL-20情報収集機1機が、オホーツク海を経由して太平洋に出て、宮城県沖まで南下した後、反転してオホーツク海を経由し、日本海に至った。航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させた。
出典:JDN(7月24日)

9 ロシア海軍のフリゲート(7月24日〜25日)
7月24日、礼文島の北西で、ロシア海軍のステレグシチー級フリゲート1隻(艦番号の公表なし)が確認され、25日にかけて宗谷海峡を東進した。
出典:JDN(7月27日)

10 ロシア軍の情報収集機(7月27日)
7月27日、ロシア軍のIL-20情報収集機1機が、日本海上空を島根県沖まで飛行した後、反転して大陸方面へ飛行した。航空自衛隊は戦闘機を緊急発進させた。
出典:JDN(7月27日)

記事に登場した艦艇・航空機
| 艦種・機種 | 国 | 説明(JDN用語集による) |
|---|---|---|
| スラバ級ミサイル巡洋艦 | ロシア | 旧ソ連時代に就役した満載排水量1万t超の大型ミサイル巡洋艦 |
| ステレグシチー級フリゲート | ロシア | ステルス性を考慮した沿海域用の汎用フリゲート(用語集の「ステレグシチーⅡ級」の項による) |
| タランタルⅢ級ミサイル護衛哨戒艇 | ロシア | 満載排水量493tの大型のミサイル艇 |
| レンハイ級ミサイル駆逐艦 | 中国 | 中国海軍での名称は055型駆逐艦 |
| ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦 | 中国 | 中国海軍でのタイプ名は052D型 |
| フチ級補給艦 | 中国 | 中国海軍でのタイプ名は903型・903A型 |
| Y-9情報収集機 | 中国 | Y-9輸送機の派生型で、レーダー情報、通信情報などの収集を行うとみられる |
本記事の略語
| 略語 | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| EEZ | Exclusive Economic Zone | 排他的経済水域 |
| JDN | J Defense News | Jディフェンスニュース(日本の防衛と安全保障のニュースを掲載するウェブサイト) |
※この記事は、2026年10月7日時点でJDNに掲載されていた統合幕僚監部の発表と記者会見の内容に基づいて執筆したものである。
出典:Aviation Assets
アクセス回数:86