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GPSIIIの打ち上げにより全地球でのMコード利用が可能に

テレサ・ヒッチェンズ

ワシントン:2021年6月17日、5番目のGPS III衛星アメリカ宇宙軍によりに打ち上げられる予定である。これが成功すれば、GPSコンステレーションは、世界中の軍事ユーザーに暗号化されたMコードのポジショニング、タイミングおよびナビゲーション信号を発信できるようになる。(訳者注:打ち上げは予定どおり行われ、成功している。)当初、7月に予定されていたこの打ち上げは、計画よりも前倒しで行われることになった。

今回のロッキード・マーティン社が製造したGPSIIIスペース・ビークル-5( Space Vehicle-5, SV-5)の打ち上げにより、Mコードを装備したGPSコンステレーションの衛星数は24基となる。この数字は、耐ジャミング能力を持つ信号が地球全体からアクセスできるようになるための「マジック・ナンバー」である。これら24基の衛星には、最新モデルである5基のGPS III衛星以外に、GPSIIR-M衛星およびGPSIIF衛星が含まれている。現在稼働しているGPS衛星は、合計31基であり、 GPS IIIスペース・ビークル-5は、そのうちの初期モデルのひとつを更新することになっている。

宇宙ミサイルシステムセンター(Space and Missile Systems Center, SMC)の中軌道宇宙システム部門の上級器材リーであるエドワードバーン大佐は、「打ち上げから2週間後」に衛星が運用可能になり、Mコードの放送が開始されると記者に語った。

計画では、GPS IIIコンステレーションは10基の衛星で構成され、その後は、GPS IIIFと呼ばれる改良バージョンに移行することになっている。それぞれの衛星の正確な費用は発表されていないが、ファルコン・ディビジョン(Falcon Division)のチーフであり、宇宙ミサイル・コマンド・ローンチ・エンタープライズ(Launch Enterprise)の副ミッション・ディレクターであるウォルター・ローダーデール氏は、初期のGPSIII衛星の価格は約5億ドルだったと述べた。ただし、最後の2基の費用は、約2億ドルに抑えられるものと見込まれている。(宇宙軍は、この費用削減のため、スペースX社による使用済みブースターの再利用を初めて認めた。)

もちろん、OCX(Next Generation GPS Operational Control System, 次世代GPS運用制御システム)が稼働し、Mコードを十分に活用できるようになるには、まだまだ問題がある。バーン大佐によると、それが解決するのには、早くても2023年まで待たなければならない。

「GPS III機能を活用するために必要なデジタル機能は、来年中に導入される予定です」とバーン大佐は述べた。「そうすれば、GPSコンステレーションの初期作戦能力の達成を宣言できます。しかし、OCXおよび端末器材が利用可能になるのは、2023年の第3四半期まで待たなければなりません。宇宙、地上および端末器材のすべての領域において、GPS事業においける初期作戦能力の発揮が可能となるのは、それからです。」2023会計年度の「第3四半期にそのマイルストーンを達成する」計画です、とバーン大佐は付け加えた。

プログラムマネジャーのジェフ・マッコール氏は、プライム・コントラクターのレイセオン・インテリジェンス・アンド・スペース社は、大幅に遅れているOCX(Next Generation GPS Operational Control System, 次世代GPS運用制御システム)の宇宙軍への納入を2022年に予定している、と語った。さらに、17基のGPSモニター・ステーションのうち13基が世界中に配備されており、そのシステム用の高忠実度GPSシステム・シミュレーターの認可もすでに終了している、と述べた。

OCXの歴史には、控えめに言っても、問題があった。たとえば、2016年には、ナン・マッカーディー制度への重大な違反があり、国防総省の買収担当官だったフランク・ケンドール空軍長官候補の怒りを買ってしまった。そのケンドール氏の空軍長官への就任が、先週、上院軍事委員会から承認されている。

OCXの問題は、どれほど深刻なものだったのであろうか? 議会監視機関の契約および国家安全保障調達担当部長であるジョン・ルートヴィヒソン氏は、先月の下院戦略部隊小委員会において、政府責任説明局の最新データによると、現時点でのOCXの開発費は、当初の予算を73%も上回っている、と述べた。

現在、すべてのGPS衛星は、OCS(Operational Control System, 運用制御システム)と呼ばれる現行のGPS制御システムで制御されている。ロッキードマ・ーティン社は、このOCSに一連の暫定的なソフトウエア・アップグレードを行い、OCXが運用可能となる2025年まで維持する契約を締結している。これらのアップグレードにより、OCSは最新のGPS III(およびそれ以外のコンステレーション)を制御できるようになり、暗号化されたMコード信号の処理、アップロード、および監視が可能になる。しかし、これだけではMコードを完全に利用するのに十分ではない。国防総省は、米国(および同盟国)の兵士たちが使用する無線機に組み込まれた各種のGPS受信機を利用可能にすることに遅ればせながら取り掛かり、Mコードを実際に受信できるようにしようとしている。

ルートヴィヒソン氏によれば、OCXやGPS端末器材の支給が遅れたため、「15年以上も前に打ち上げられたGPS衛星の耐ジャミング信号機能が、いまだに完全な軍事利用ができない状態」なのである。

                               

出典:GPS III Launch Will Provide Global M-Code, Breaking Defense, Breaking Media, Inc 2021年06月

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

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