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アメリカ米軍がFLRAA(将来型長距離強襲機)の機種選定を開始

ジェン・ジャドソン

ワシントン—アメリカ陸軍は、2つの企業チームに対し非公開のRFP(Request for Proposal, 提案要求書)を発出し、FLRAA(Future Long Range Assault Aircraft, 将来型長距離強襲機)の機種選定を開始した。また、2つの選択肢を比較検討したうえで、FLRAA試作機の納入スケジュールを定めた。

第1の選択肢は機体と兵器システムの両方の試作を同時に行うもので、第2は少しずらして行うものであった。どちらを選ぶかにより、完全な試作機を陸軍に納入できる時期が2025年の春になるか、または夏になるかという違いが生じるのである。

テキストロン・ベルシコルスキーボーイング・チームが対決し、その勝者が決定するのは、2022年度の第3四半期になる。(訳者注:米国の会計年度の開始は10月、終了は9月であり、終了時の暦年で呼ばれます。)2022年度の予算書によると、試作機の納入は、2025年度の第3四半期に開始され、それから1年以内に完了することになっている。

2021年度の予算説明書では、2025年度の第2四半期に予定されていた。

機体と兵器システムの予備設計審査が、別々に実施されるのか、それとも同時に実施されるのかは明らかにされていない。陸軍は、2022年度の第3四半期から2024年度の第2四半期にかけて予備設計審査および設計審査を実施する予定であったが、2022年度の予算書には細部が示されていない。

2021年度の予算書では、2022年度の第2四半期に予備設計審査が開始され、2023年度の第4四半期に完了するという具体的なスケジュールが示されていた。設計審査は、予備設計審査に引き続いて開始され、2025年度の第1四半期までに完了する。

この変更により、陸軍は、すべての設計段階を1年前倒しで完了する見込みである。

ただし、このスケジュールは時間の経過とともに元どおりに戻る。飛行試験は2025年の第3四半期に開始され、2029年度の第4四半期に終了する。この点については、2021年度と2022年度の予算説明書の記述に変わりはない。

陸軍は、FLRAAの最初の部隊への装備を2030年度に予定している。

RFP(提案依頼書)の発出

情報筋によると、7月6日、アメリカ陸軍はRFP(request for proposals, 提案依頼書)を企業に発出した。この文書の内容は公開されていないが、レッドストーン工廠の陸軍契約コマンドは、陸軍調達責任者が署名した予算説明および承認書に基づき、RFPが競争参加企業に限定して発行されたことを認めている。

12月には、一般に公開されている契約ウェブサイト「SAM.gov」に、「完全な公開競争ではない(other than full and open competition)」調達手段による要求事項を定めるという意向を記した通知を掲載していた。

陸軍契約コマンドの広報担当官は、RFPは「FLRAAの調達戦略をサポートし、経済効率とイノベーションを両立させるため、競争を最大化に追求するものとなっている。この契約は、FLRAA兵器システムの開発、試作、飛行試験、および装備化を網羅したものとなっている。」と述べている。

RFPが示すとおり、この計画は、ベルとシコルスキー=ボーイングチームの間の直接競争をもたらそうとしている。

ボーイングとロッキードマーティン傘下のシコルスキーのチームは、既存のSB-1デファイアント技術実証機をベースに開発したデファイアントX同軸回転翼機を提案すると予想されている。SB-1デファイアントは、比較実証およびリスク低減事業の枠組みの中で、現在も陸軍での飛行が継続されている。CDRR(Component Design Requirements Review, 搭載機器設計要求審査)は、2022年度の第3四半期に予定されている。

2021年1月25日、ロッキード・マーティンとボーイングは、Defiant Xと呼ばれるFLRAA機をもって、米陸軍の競争開発に参加することを発表した。(写真提供:ロッキード・マーティンおよびボーイング)

ベルも、技術実証機であるV-280バロー・ティルトローター機を陸軍において飛行中であり、CDRRにも参加している。先日、2017年12月から飛行していた実証機が用途廃止になったが、その後もCDRRのためのデータ収集および分析のために引き続き利用されている。ベルは、その実証機とほぼ同一のティルトローター機を提案するものと予想されている。

ベルV-280バロー技術実証機は、その飛行を終了したが、ベルの候補機としてアメリカ陸軍のFLRAAに参加することになっている。(写真提供:ベル)

予算書によると、入札は2021年度の第4四半期に行われる。陸軍は、2022年度の第2四半期にこれらの提案を評価し、どちらかの候補者と試作機の製造契約を締結する予定である。

契約が締結されたならば、2024年度の第1四半期に予備設計および設計と同時並行的に仮想試作(virtual prototyping, バーチャル技術を活用した試作)が行われる。

それにより選出されたチームは、2023年度の第3四半期に試作機の製造を開始することになる。

Defense Newsが入手したRFPによれば、FLRAAの調達は3つの段階に区分されている。第1段階においては、仮想試作および予備設計審査が行われる。第2段階では、最終設計審査が行われ、6機のEMD(Engineering and Manufacturing Development, 設計、製造および開発)機、続いて2機の限定ユーザー向けの評価用試作機が製造される。

政府および企業による合同試験および評価は、この第2段階で行われる。第3段階においては、8機のLRIP(Low Rate Initial Production, 低率初期生産)機が納入される。

RFPはまた、供給会社が計画よりも早期に試作機を納入し、試験・評価に移行した場合のインセンティブを設定している。また、許容増加重量および外部搭載重量に関し、要求事項以上の機体を供給できた場合にも、インセンティブが適用される。

RFPによると、要求速度は230ノット、目標速度は280ノットに設定されている。この目標速度を達成した場合にも、インセンティブが適用される。

資金調達の促進

陸軍は、このFLRAAとほぼ同じスケジュールでFARA(Future Attack Reconnaissance Aircraft, 将来型攻撃偵察機)を調達する予定であり、すでにベルおよびロッキード・マーティンとの間に競争契約を締結している。これらの企業は、現在、飛行可能な機体を製造中であり、2022年度末までに完成させようとしている。

2023年度に1年間の性能比較飛行が行われ、2024年度の第1四半期に勝者が決定される予定である。

陸軍は、2022年度にFLRAA開発経費として4億4,840万ドル、FARA開発経費として6億5,020万ドルの予算を要求している。

2021年度の予算書では、2022年度のFLRAA計画の予算は、わずか1億7,820万ドルに留まっていた。一方、FARA計画の予算は、現時点とほぼ同額の6億1110万ドルになることを予定していた。

陸軍は、2022年度の予算説明書において、FLRAAへの2億6,760万ドルの追加予算は「CDRRⅡの事業を延長し、基本設計を加速し、継続プログラム契約の締結に向けた準備を行うため」のものであるとしている。

また、FARAへの追加予算については、機体設計および任務システム搭載に伴うリスク軽減事業のためであると説明している。

下院歳出委員会は、6月末に2022年度支出法案を提出しており、FLRAAおよびFARAの両方のFVL(Future Vertical Lift, 将来型垂直離着陸機)計画に対し、3億8800万ドルの追加予算を要求したいと考えている。他の委員会がこれに追随するかどうかは不明であるが、それが認められた場合、FVL計画に合計11億ドルの予算が投じられることになる。

ジェン・ジャドソン
ジェン・ジャドソンは、DefenseNewsの陸戦担当レポーターです。彼女は、ワシントン地域において、10年間にわたり防衛問題を取材してきました。それ以前は、Politico and InsideDefenseの記者として勤務していました。2014年にはNational Press Clubの最優秀分析報道賞を受賞し、2018年にはDefense MediaAwardsの最優秀若手防衛ジャーナリストに選出されています。

                               

出典:Defense News 2021年07月

翻訳:影本賢治, アビエーション・アセット管理人

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